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月刊 経団連  巻頭言 日本再生により希望に満ちた未来を築く

榊原定征 (さかきばら さだゆき) 経団連会長

日本は、新たな挑戦の年を迎えた。経済再生への道筋が見え始めているなか、この好機を失することなく、官民ともに全力を尽くす必要がある。

しかし、その道のりは平坦ではない。本格的な人口減少の到来、社会保障給付費の急速な増加、原発停止に伴うエネルギーコストの上昇、経常収支の赤字化への懸念など、課題は山積している。こうした問題に果敢に取り組み、明るい未来を切り拓き、活力ある経済・社会を次代へと引き継いでいくことは、今日を生きるわれわれ世代の責務である。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催は、震災復興地域を含めて、日本の再生を世界にアピールする絶好の機会である。

今こそ、政府、企業、国民が、現下の危機感を共有し、オールジャパンで日本の再生に取り組まなければならない。企業は、設備投資や研究開発投資を活発化させ、「積極経営」を通じたイノベーションの推進や、新興国をはじめとする世界の成長の積極的な取り込み、大胆な事業再編などにより、新たな成長機会・雇用機会を国内で創出し、自ら経済の好循環を生み出していく。政府には、事業環境の国際的なイコールフッティングの実現や経済連携の推進など、企業が活動しやすい環境の整備を求めたい。さらに、社会保障制度の持続可能性を確保するとともに少子化対策などを確実に進め、国民が安心して暮らせる社会を構築する必要がある。国民も、自らの権利・義務を認識し、「自主」「自立」「自己責任」の原則の下に行動することが肝要である。

経団連としては、こうした考えを、経団連ビジョン「『豊かで活力ある日本』の再生 ―Innovation & Globalization―」に取りまとめた。若者が未来に希望を持ち、世界から信頼され尊敬される国を築いていかなければならない。会員の皆様の一層のご支援、ご協力をお願い申しあげる。

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