グローバル化とイノベーション
世界経済フォーラム等の国際会議に参加する機会や海外出張の折に、最近とみに感じるのは、日本が国際社会における存在感や海外の人々の関心を確実に取り戻しつつあるという手応えである。安倍政権の第一の矢である金融緩和と第二の矢である財政出動が起爆剤となり、景況感が好転した。日本経済の再生に世界が熱いまなざしを向けている今こそ、…
世界経済フォーラム等の国際会議に参加する機会や海外出張の折に、最近とみに感じるのは、日本が国際社会における存在感や海外の人々の関心を確実に取り戻しつつあるという手応えである。安倍政権の第一の矢である金融緩和と第二の矢である財政出動が起爆剤となり、景況感が好転した。日本経済の再生に世界が熱いまなざしを向けている今こそ、…
安倍政権となって以来、科学技術イノベーション政策は大きな進展が図られつつある。総合科学技術会議は、「総合科学技術・イノベーション会議」へ改組され、司令塔機能がより強化することが期待される。欧米はもとよりアジア等の新興国においても、科学技術イノベーション政策は、イノベーション創出のための総合的なナショナルシステムの強化という視点で取り組まれている。そうしたなか、わが国のナショナル・イノベーション・システム全体を俯瞰し、イノベーション創出に向けた具体的な強化策や、将来有望な技術領域等について議論する。
内山田竹志 (経団連副会長/トヨタ自動車会長)
科学技術イノベーション政策を成長戦略とも連動する国家戦略として重要視していくべきであるという観点から、経団連は、強力な司令塔の実現、ファンディングの仕組みの改革、大学・大学院の改革、科学技術予算の拡充の四点を提言している。現在、安倍政権のもと、改革は力強く進められている。2020年の東京オリンピック・パラリンピックをマイルストーンにして、かつての新幹線のような子どもたちに夢を与えるイノベーションを実現したい。
久間和生 (総合科学技術・イノベーション会議議員)
総合科学技術・イノベーション会議は、政策・予算・法制度の三位一体で日本の科学技術イノベーション政策を立案・運営し、司令塔機能を強化してきた。現在、同会議のもとでは、SIPやImPACTなど、イノベーション創出のための新たなプログラムが進められている。今後は、研究開発法人を中核としたイノベーションハブを形成し、技術シーズを実用化・事業化に結び付ける「橋渡し」機能を強化するなど、「世界で最もイノベーションに適した国」を目指していく。
元村有希子 (毎日新聞編集編成局デジタル報道センター編集委員)
イノベーション政策に関しては、これまでは各省庁がバラバラに取り組んでいて、その全容をつかむことが難しかった。司令塔機能を強化したことによって、国民にわかりやすく広報できるチャンスだ。現在の施策のなかでも、ImPACTについては、ハイリスクハイリターンを目指すと言い切っているところに注目している。また、イノベーションにはダイバーシティーが必須であり、理系、特に工学系の女性を増やすことが課題である。そのためには、若い人たちが憧れるようなロールモデルを戦略的に確立することも重要である。
須藤 亮 (司会:経団連産業技術委員会企画部会長/東芝常任顧問)
経団連では、SIP、ImPACTに積極的に応募するよう会員企業に呼びかけた。今後は、継続した予算確保と制度の定着を求めていきたい。また、大学の改革と研究開発法人の改革は一体で行うべきである。経団連としては、国に提言するだけでなく、研究開発法人の橋渡し機能の強化に積極的に関与していきたい。
日本流イノベーションの創出
~東レの研究・技術開発戦略
阿部晃一 (東レ副社長)
G空間社会実現に向けたイノベーション創出への取り組み
中谷義昭 (三菱電機専務執行役)
世界に先駆けた脳情報産業の創出に向けて
~脳情報の可視化と制御技術の可能性と課題
山川義徳 (NTTデータ経営研究所ニューロイノベーションユニットニューロマネジメント室長/内閣府革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)プログラム・マネージャー)
米国の産学連携と大学改革
上山隆大 (慶應義塾大学総合政策学部教授)
イノベーション教育の普及と企業における意義
堀井秀之 (東京大学大学院工学系研究科教授)
第四次産業革命に進むドイツの産学官連携
永野 博 (OECDグローバルサイエンスフォーラム議長/政策研究大学院大学講師)
欧州の科学技術イノベーション政策動向
小野寺 正 (経団連産業技術委員会共同委員長/KDDI会長)
科学技術イノベーション政策の実現に向けた取り組み
中村道治 (科学技術振興機構理事長)
ナショナル・イノベーション・システムの強化に向けて
橋本和仁 (東京大学大学院工学系研究科教授/21世紀政策研究所研究主幹)
ペプチドリーム
~世界最先端特殊ペプチド創薬イノベーションの担い手
菅 裕明 (東京大学大学院理学系研究科教授)
窪田規一 (ペプチドリーム社長)
安倍総理とともに中南米諸国を訪問
~日本への期待を再認識
榊原定征 (経団連会長)
【提言】
実質的な税負担軽減を伴う法人実効税率の引き下げを
~平成27年度税制改正に関する提言
http://www.keidanren.or.jp/policy/2014/074.html
佐々木則夫 (経団連副会長・税制委員長/東芝副会長)
デミング賞
~その挑戦が組織にもたらすもの
坂根正弘 (デミング賞委員会副委員長/品質国際会議'14‐東京(ICQ'14-Tokyo)組織委員会委員長/日本科学技術連盟会長)
世界に羽ばたく人づくり (7)
明治大学における国際化戦略
「MEIJI8000とグローバル人材育成」
勝 悦子(明治大学副学長)
輝く日本の女性たち (7)
女性が活躍できる日本に向けて
村木厚子(厚生労働事務次官)
あの時、あの言葉
「運」を活かす
古河直純(日本ゼオン会長)
エッセイ「時の調べ」
盆栽に育てられて
山田香織(盆栽家・彩花盆栽教室主宰・盆栽清香園五代目)