ABACについて
1. ABACの設立経緯と役割
ABAC(APECビジネス諮問委員会)は、APEC参加21カ国・地域の首脳が指名したビジネス界の代表で構成されるAPEC唯一の公式民間諮問団体です。1995年のAPEC大阪会議でAPEC首脳がビジネス界の声を直接聞くメカニズムとしてABACの設立を決定、翌1996年から活動を開始しました。
2. ABACの活動
ABACは毎年、アジア太平洋地域のビジネス界の見解、政策提言、政策実施状況についての評価をとりまとめて「APEC首脳への提言」を作成します。この提言に基づき、秋のAPEC首脳会議開催の際に「APEC首脳とABAC委員との対話」が行われ、直接意見交換を行っています。また、必要に応じて貿易、財務、中小企業などの担当大臣会合議長、高級実務者会合(SOM)議長らにABAC議長名の書簡を発信しています。
ABACの会合は、意思決定を行う全体会議(Plenary)と、その年に検討するテーマに沿って専門分野毎に開かれる作業部会(Working Group)から成り、原則毎年4回開催されています。
ABAC会議の開催実績・予定はこちらからご覧いただけます。
3. ABAC日本の活動
日本におけるABACの活動は、ABACの設立時からビジネス界の強固な支援を受けてきました。1999年、ABAC日本の支援基盤を拡充・強化するためにはビジネス界の声を一層反映することが不可欠である等の観点から、経済団体連合会(当時)や日本商工会議所をはじめとした経済団体が中心となって企業の参加を求め、ABAC日本支援協議会が設立されました。ABAC日本支援協議会は、ABAC日本委員と日本のビジネス界との連携を深め、ビジネス界の意見をAPECの政策に反映させるための活動を行っています。
近年、APECがABACとの連携をより重視する方向にあります。日本では、ABAC日本委員とAPEC高級実務者との間で、また委員スタッフと関係省庁の実務者クラスとの間で、定期的に意見交換を行っています。さらに、毎年、APEC首脳会議に合わせて開催されるAPEC首脳とABAC委員との対話の後、APEC高級実務者の参加も得て「ABAC/APEC活動報告会」を東京と大阪で開催しており、その際にABAC日本支援協議会の会員や関係団体から提起される意見・要望などをABAC活動に反映しています。