企業を取り巻く環境は時代とともに変化し、企業が果たすべき役割や責任のあり方も変わってきています。特に近年、グローバル化や情報化の急速な進展、気候変動や貧困問題といった地球的規模の課題の深刻化等により、企業に対し、より広範な社会的責任(Corporate Social Responsibility: CSR)を果たすとともに、持続可能な社会の構築に一層貢献するよう求める声が世界的に高まっています。これを受けて、国連や経済協力開発機構(OECD)等の国際機関、国際標準化機構(ISO)などでCSRに関する国際基準や規格を制定する動きが相次いでいるほか、欧米の企業行動に関する評価機関等では、企業の開示情報やCSRへの取り組み状況をもとにこれを評価したり、投資家に対して影響力を及ぼしたりする動きも見られます。
一方、NGO・NPOをはじめとする市民社会の台頭や消費者行動の変化、企業間競争の激化、社会的責任投資(Socially Responsible Investment: SRI)の普及等を受けて、多様化するステークホルダーの声に耳を傾け、その意見を採りいれるとともに協働することで、新たな価値の創造を目指す企業も急速に増えてきています。
CBCCでは、CSRの推進が企業にとって新たな価値の創造や競争力の向上につながるとともに持続可能な社会の実現のためにも不可欠であるとの認識のもと、次のような活動を通じて日本企業がCSRを推進するうえでのお手伝いを行っています。
内外の有識者や専門家を招いて懇談会やセミナーを開催し、CSRに関連する様々なテーマやイシューをめぐる国内外の最新動向やCSRに関する各種の国際的な基準・規格の内容、企業情報の開示のあり方をめぐる動きなどを積極的にフォローするとともに、会員企業に対し情報提供を行っています。
CSRをめぐるグローバルな動向や諸外国のCSR政策、海外企業のCSRへの先進的な取り組みの実態等を把握するとともに、日本企業のCSRに対する考え方および取り組みに対する理解促進を目的として、2003年度以降毎年、海外へCSR対話ミッションを派遣しています。
ミッションでは、国際機関や各国政府のCSR政策担当者、CSR推進団体、日系を含む現地企業、投資家団体、NGOなど幅広い関係者との直接の対話を通じて、CSRに関する最新情報の収集やネットワークの強化、日本企業のCSRへの取り組みに関する理解促進などに努めています。
懇談会・セミナーの開催や海外へのミッション派遣以外にも、CBCCでは日本企業を対象としたアンケート調査の実施や機関誌の発行等を通じて、日本企業のCSRへの取り組み状況やわが国におけるCSRの実態等の情報を収集するとともに、広く提供しています。また、ウェブサイト等を通じた積極的な情報発信を通じて、わが国のCSRに対する海外からの理解促進にも努めています。
機関誌「ステークホルダーズ」を発行し、CSRに関する主要なテーマやイシューをめぐる最新動向や、日本企業および海外企業のCSRへの取り組み事例、CBCCの活動などを紹介しています。また、各国社会の状況などに関する記事も掲載しています。
直近に開催された懇談会・セミナーの模様に関する記事をはじめ、提携団体である米国 Business for Social Responsibility(BSR)が発行している「BSR Insight」からの抜粋記事をまとめた「CSRニュース」を、毎月、会員企業に配信しています。
ウェブサイトにおいて、CBCCの概要や事業内容等を紹介しています。
(日本語・英語 URL https://www.keidanren.or.jp/CBCC/ )
CBCCでは、欧州や米国、アジアなど世界の各国・各地域においてCSRの推進に取り組んでいる団体や国際機関、またCSRに関する各種基準や規格の策定・普及に取り組む団体等とのネットワーク作りを積極的に進めるとともに、こうしたネットワークを通じた情報収集および情報発信にも力を入れています。
また、NGO・NPO等の非営利団体や消費者団体、労働組合、投資家団体等、各種ステークホルダーとの対話を通じて、彼らの意見に耳を傾け、互いの理解促進に努めるほか、企業とのパートナーシップ構築にも貢献しています。
公益社団法人であるCBCCは、寄附に対して税制上の優遇措置が適用される特定公益増進法人に該当します。また、寄附金は特定公益増進法人の主たる目的である業務に関連する、所得税法第78条第2項第3号に規定する寄附金に該当します。これにより、CBCCが「国際貢献事業」と認定したプロジェクトにご寄附いただいた場合、企業はその金額を一般寄附金とは別枠で損金に算入することができます。また、個人の方は、特定公益増進法人等に対する寄附金の合計額(総所得金額の40%を限度とする)から2千円を差し引いた金額を所得から控除するか(図1)、寄附金の合計額(総所得金額の40%を限度とする)から2千円を差し引いた額の40%相当額を税額から控除するか(図2)のいずれかを選択適用することができます。
CBCCでは、有識者で構成するプロジェクト選考委員会を随時開催し、主として海外の現地社会に貢献するために実施される事業や、日本企業に対する理解を促進するために実施される事業、海外との交流拡大のために実施される事業を「国際貢献事業」に認定しています。国際貢献事業への認定を申請される方や、現在認定している国際貢献事業への寄附にご関心のある方は事務局までお問い合わせください。
※2024年5月までに165件のプロジェクトを認定し、それらプロジェクトへの寄附実績は、総計約299億円になりました。