ネオビエントは、徳島県内の観光施設や大型公園等の施設運営・管理事業、地域ブランド向上のためのイベント運営事業を手掛ける。同社は、社員から社長へ「出産後も仕事を辞めたくない」との相談があったことを機に、男女問わず、仕事と育児を両立しやすい職場づくりに注力することとした。育児休業の取得促進に取り組むうえでは、企業のBCP(事業継続計画)の一環と位置づけて対策を講じている。2021年、2022年の男性の育児休業取得率はともに100%(各年1名)、取得期間もともに1カ月となった。
<主な取組み>
同社では、育児休業制度の社内周知を進めており、多くの社員が制度を認知している。その結果、育児休業の対象者は、自ら取得希望を申出ることが多い。さらに、制度の認知率が高いことから、周囲の社員は協力的であり、現場業務のマニュアル化が進むなど、円滑な業務の引継ぎに向けた取組みが着実に実施されている。
育児休業の積極的な申出がある風土は、日頃から、会社が社員との対話を大切にしてきたことより醸成されている。具体的には、ワーク・ライフ・バランスの向上について議論する委員会や、ときどきの状況に合わせたテーマで開催する勉強会など、労使がフラットに意見交換できる場の創設をしている。このほか、年6回の1on1ミーティングの実施など、個々の社員が抱える事情を的確に把握する機会の創出による効果が大きい。
また、短時間勤務制度の活用や担当業務の見直し等、社員個々の意向に応じて柔軟に配慮することで、両立しやすい職場づくりのみならず、人材の定着にも繋がっている。
<今後の展望>
今後は、休業者に対する会社の近況報告の頻度を増やすなど、安心して育児休業を取得し、復職できる環境の構築とサポート体制の拡充を進める。また、育児を抱える社員が働きやすいよう、業務の細分化による適材適所の配置にも取り組んでいくこととしている。