1. トップ
  2. Policy(提言・報告書)
  3. 科学技術、情報通信、知財政策
  4. web3推進戦略

Policy(提言・報告書)  科学技術、情報通信、知財政策 web3推進戦略 - Society 5.0 for SDGs実現に向けて -

2022年11月15
一般社団法人 日本経済団体連合会

Ⅰ.はじめに
- Society 5.0 for SDGs実現に向けたweb3活用の可能性 -

1. わが国の現状

わが国が地球規模の社会課題を解決しつつ、持続的な成長を成し遂げるためには、不断のイノベーションと新たなビジネスの創出が不可欠である。Society 5.0 for SDGsの実現に向けて、社会全体のDXを推進するとともに、とがった技術やアイディアを持ち、社会課題解決を担う企業を次々と生み出すための環境を整備することが求められている。

こうした中、web3#1とも呼ばれるインターネットのあり方は、データ保有の分散等を通じて経済社会に広範な影響を及ぼし得る。各国政府・企業はweb3等に関する政策や取組みを矢継ぎ早に展開しており#2、web3を取り巻く環境は刻一刻と変化している。

わが国においては、ここ数年でアプリケーション層からプロトコル層に至るまでweb3関連企業が急速に成長しつつある一方で、暗号資産の活用をはじめ、web3に関する取組みが相対的に遅れている(図)。勃興する新しい市場で後れを取っていることから、貴重な人材の海外流出も続いている。

暗号資産による利益実現額

(出所) Chainalysis, 2021 Cryptocurrency Gains by Country
(https://blog.chainalysis.com/reports/cryptocurrency-gains-by-country-2021/)

これらの原因は、わが国の規制がもたらす障壁にある。わが国においては、後述のとおりトークンの保有やトークンへの投資が実質的に困難であることから、web3関連企業が登場、成長しにくく、ユーザーも関連サービス等を安心して十分に利用することが難しい。こうした課題認識を踏まえ、わが国政府は骨太方針2022#3等において、web3、NFT#4、メタバース#5等に関する環境を整備することを明記し、関係各省でも検討を開始した#6

今後web3を活用するうえでは、企業と資本や顧客との関係、組織のあり方、働き方等社会全体に及ぼす影響について幅広く検討するとともに、活用を可能とするための環境を包括的に整備することが求められる。その際、わが国に閉じた「ガラパゴス」的な制度ではなく、国境を越えて活用することを前提として、グローバルスタンダードに即した、あるいはグローバルスタンダードを主導する制度を設計する必要がある。

2. Society 5.0 for SDGs実現に向けたweb3活用の可能性

上述のとおり各国が取組みを加速する中、関連法制の整備や各種要素技術の開発のみならず、マイニングによる環境負荷への対応、詐欺やハッキング対策、AML(Anti-Money Laundering、マネーロンダリング対策)といった、セキュリティー、プライバシー、安定性等に係る課題もクローズアップされている。様々な課題や、新技術の活用が二次的にもたらす負の側面等を恐れるあまり、わが国がweb3を入り口から否定すれば、世界から周回遅れとなることは目に見えている。

わが国としては、他の国や地域で急速に進むweb3の活用を座視し、無批判に受け入れるべきではない。web3があくまでも人々のwell-being向上に貢献する方向で活用されることを前提として、Society 5.0のアーキテクチャにweb3関連技術を組み込む可能性を模索しながら、web3を適切な方向へ導くことが極めて重要である。

とりわけweb3活用の黎明期にあっては「まずやってみる」精神をもって建設的なトライアルを行い、新技術の活用や人材育成を早急に進めるべきである。その際に求められるのは、様々なリスクに正面から向き合いながら、その解消に向けて不断の投資を行い、リスク対応等の事例を蓄積することである。それができて初めて、適切なルールや権利のあり方について精緻に議論することができる。

今後、多様なステークホルダーを巻き込みながらweb3の活用を推進するうえでは、web3がSociety 5.0 for SDGsにどのような形で寄与するのか、より具体的な絵姿を示す必要がある。web3は、非中央集権的なデータ保有の実現や組織のガバナンスの変革等を通じて、金融、行政、地方創生をはじめあらゆる分野でイノベーションを生み出す可能性を秘めている。一方で、web3がSociety 5.0 for SDGsの実現に貢献するためには、様々な課題も存在している。これまで解決の難しかった地球規模の課題に対し、web3がどのような形で貢献することができるのか、模索していくべきである。

こうした観点を踏まえ、わが国が「web3鎖国」を脱し、各国の人材や企業に選ばれる「web3先進国」として地球規模課題の解決、ひいてはSociety 5.0 for SDGsの実現に貢献することを目指すための国家戦略を以下に提言する。

Ⅱ.web3先進国への変貌に向けたステップ

1. 目指すべきweb3先進国の姿

2025年中に、以下の要素を満たすweb3先進国として、わが国が各国をリードする。

  1. ① web3関連事業を行うための環境が、法制度を含め包括的に整備されている(「できる」=制度インフラの完備)
  2. ② web3に関するグローバルスタンダードを技術・制度の両面でリードし、各国の人材・企業から選ばれる(「選ばれる」=スタンダードの主導)
  3. ③ web3がSDGs=グローバルな課題解決に貢献する手段、考え方として活用される(「貢献する」=SDGs実現への貢献)
「web3先進国」3つの要素

2. 具体的なステップ

具体的には、以下のステップを踏み、web3先進国へと変貌を遂げる。

web3先進国への4つのステップ
ステップ0 「web3鎖国からの脱却」

web3関連事業の実施を妨げる各種法制度を一つずつ早急に見直すことで、スタートラインに立つ。トークンの発行や投資等に係る障壁を取り除いた結果、国内におけるweb3関連事業の遂行が現実的な選択肢となる。海外で事業経験を積んだ起業家の将来的な「Uターン」を見越して、わが国における環境整備を着実に進める。web3関連技術を育成するとともに、国内の技術者コミュニティを維持する。

ステップ1 「web3市場の活性化」

事業を行う素地が整ったことを受け、わが国で活動するweb3関連スタートアップが増加する。プラットフォームに依存しないID管理#7の実現等、国民生活にメリットをもたらすサービスの実装が、パブリックブロックチェーン#8を前提としてグローバルスタンダードに即した形で進む。

ステップ2 「web3産業#9の確立」

web3関連スタートアップの育成・誘致に向け、更なる環境整備やコミュニティ形成が進むとともに、世界を代表するweb3スタートアップがわが国から生まれる。わが国において、Society 5.0 for SDGs実現に向けたweb3の活用が様々な分野で進む。安心・安全に利用するためのルールや規制、各種権利のあり方等についても、実例を踏まえたうえで各国と協調しながらアジャイルに検討が進む。

ステップ3 「web3先進国の実現」

web3先進国であるわが国に、各国から人材や企業が集まる。先進的な取組みの結果生じた様々な課題への対策についても、わが国が各国の知見をリードする。Society 5.0 for SDGs実現に向けたわが国の取組みが各国で横展開される。

Ⅲ.直ちに取り組むべきこと

わが国がweb3に関する取組みを推進するうえでは、web3時代に適合しない既存の法制度等を迅速かつ抜本的に改善する必要がある。さもなければ、Society 5.0 for SDGs実現への貢献はおろか、わが国におけるweb3関連企業の成長は覚束ない。「web3鎖国」を脱し、スタートラインに立つためには、以下の施策を直ちに実行すべきである。

「web3鎖国」脱却に向け直ちに取り組むべきこと

1. トークン#10の保有を促進

法人が保有する暗号資産について、現状では、キャッシュフローを伴う実現利益がないにもかかわらず課税がなされており、web3関連事業を遂行するうえで非常に大きな障壁となっている。

そこで、web3時代に即した税制措置の第一歩として、令和5年度税制改正において、自社で発行し保有する暗号資産に係る期末時価評価課税について所要の見直しを行うべきである。法人が自ら発行したトークンの一部を保有しており、それが「活発な市場が存在する暗号資産#11」に該当する場合であっても、期末時価評価課税を行わないことが望ましい。

また今後、発行主体と異なる第三者が保有する暗号資産のうち長期保有を目的とするものについても、事業年度終了時における期末時価評価課税の是非を検討すべきである。

このほか、web3関連事業を営む企業等において、監査契約の前提条件が満たされない等の状況が生じたことで、監査法人等による会計監査を受けられないといった声が聞かれる。これにより、トークンを取り扱う企業における円滑な資金調達や他社との取引が阻害されるおそれがある。web3関連事業者の取組みを後押しするうえでは、こうした状況を生み出す根本的な原因を特定し、早期に改善すべきである。

2. トークンへの投資を促進

多くのベンチャーキャピタル等は、投資事業有限責任組合契約に関する法律(LPS法)のスキームに則ってスタートアップ等への投資を行っている。同法においては投資対象#12として暗号資産が明記されていないことから、トークンへの投資を行うことが現実的ではない。web3関連企業やそれに投資する投資家を含めたエコシステムを活性化するために、現状を早期に改善する必要がある。

そこで、同法を改正し、投資事業有限責任組合による暗号資産への投資を可能とすべきである。

3. トークンの流通を促進

現状、暗号資産交換業者による暗号資産の新規取扱いにあたっては、特定の条件#13を満たすものを除き、一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA)による長期間の事前審査等を要しており、プロセスが必ずしも迅速に進まないことがある。

トークンが法定通貨と交換できるようになれば、フィジカル空間での人々の経済活動に多大な影響を及ぼすことは明らかである。新たな経済圏が生まれ経済成長を牽引することが期待される反面、トークン価格の乱高下等マイナスの影響が人々のwell-beingを阻害することがないよう、適切に利用者を保護する必要があることは論を俟たない。トークンの流通促進と利用者保護を両立する観点から、事前審査と事後規制のバランスに鑑み、利用実態を踏まえた適切な規制のあり方を検討すべきである。

Ⅳ.今後求められる関連分野の施策

NFT、DAO、さらにこれらと親和性のあるメタバース等は、今後のさらなるweb3活用と深く関連するものである。わが国がweb3先進国を目指すうえでは、こうした関連分野とweb3との関係性を整理するとともに、分野ごとの議論を精緻に峻別しつつ各分野の環境整備を着実に進め、各々の技術発展が相互にもたらすメリットを最大限活用することが求められる。

そこで、以下では、NFT、DAO、メタバースの3分野を取り上げ、今後の活用に向けて求められる施策や、新技術がもたらしうる負の側面への対応に焦点を当てる。

今後求められる関連分野の施策

1. NFT

NFTは、地方創生#14等様々な文脈で既に活用されているほか、わが国が強みを持つアニメ等各種コンテンツの流通活性化に寄与し得る。わが国コンテンツ産業の豊富な知財や人材を最大限に駆使しながら活用することが重要である。

NFT市場が急速に拡大する近年、著作権や利用者等の保護を進めることが不可欠となっている。NFTは国境を跨いで流通することから、各国政府とも協調しながら制度整備を進めることが求められる。

また、NFTの流通をさらに活性化するうえでは、国内法令上の暗号資産への該当性や、とりわけNFTのランダム型販売#15について賭博罪への該当性をより明確にすることで、新たなビジネスの創出に向けた環境を整備すべきである。

2. DAO#16

ガバナンストークン#17等の活用により中央管理者を不在とし、組織の運営コストを大幅に低減するDAOは、資本市場や働き方等の変革に寄与し得るものであり、わが国として積極的に活用を検討すべきである。

現状では、人を介さずスマートコントラクトのみでの確実な運用に成功している事例は少ない。今後、より効率的に運営するための活用事例の蓄積が待たれる。また、DAOを有効活用するとともに参加者を保護すべく、DAOの法的位置づけや責任のあり方等について、各国の法制度#18も参考としながら継続的に検討すべきである。

3. メタバース

目下、メタバースはWeb 1.0/2.0に即したプラットフォームを中心に展開されている。こうした現状を踏まえ、メタバースのあり方を検討する際には、web3とは峻別して議論する必要がある。同時に、無限に拡大するメタバース空間の形成と、現実空間およびそれと紐づいた仮想空間、すなわちサイバーフィジカルシステムの実現とを明確に区別することが求められる。

メタバースは、バーチャル空間において人々の様々な行動を可能とすることから、既に活用が進んでいるゲーム等の分野に限らず、教育や医療等あらゆる分野に多大な影響を及ぼし得る。実際、コロナ禍を経て仮想空間における活動は益々広がりを見せており、今後さらに進化、拡大することが予想される。

かかる現状を踏まえ、わが国としては、日本が強みを有するゲーム産業等の知財や人材を有効に活かしつつ、メタバースの活用を通じた社会課題の解決に向けて、「メタバース大国」となるための施策を展開すべきである。

わが国としてメタバース産業の育成を進めるうえでは、3DCG#19等、メタバース構築に関連する各種国産技術の開発、育成支援を進める必要がある。これらの技術については、既にゲーム産業を中心としてわが国に一日の長がある一方で、メタバースに活用するための支援を怠れば、たちまち各国の後塵を拝することとなる。同時に、メタバースが将来的にweb3上で展開されることも視野に入れつつ、メタバースプラットフォーム同士の連携に向けた環境の整備を進めるべきである。

また、とりわけメタバース上の意匠権、著作権、二次創作等に関する権利や、メタバース上で蓄積される膨大なデータの取扱いのあり方については、幅広い分野における今後の活用事例を踏まえ、各国と協調しながら検討すべきである。その際、異なる仮想空間やプラットフォーム間での取引について、法令や課税上の取扱いを明確にする必要がある。

なお、将来的には、メタバースが聴覚や視覚のみならず触覚、嗅覚等に働きかけることが可能となり、没入感がより高まることが予想される。これによって人々の体験価値が向上する一方で、メタバースと現実との区別がつかなくなり、メタバースへの過度な依存をはじめ、様々な課題が表出する可能性も指摘されている。メタバースの活用が人々のwell-beingを阻害することのないよう、実状を踏まえつつ、サービス提供事業者の自主的取組みの支援等についても検討していく必要がある。

メタバースが将来的に提供可能となる様々な体験は、現実空間における人々の生活にも大きな影響を及ぼすものである。どこまで倫理的に許容可能かといった点も含め、利用の実態を踏まえて継続的に議論し、社会全体で規範を形成していくことが不可欠である。

Ⅴ.おわりに

Society 5.0 for SDGsの実現というゴールに向けて、web3の活用を進めるうえでは、web3先進国への変貌に向けた正しいステップを歩む必要がある。「まずやってみる」精神で建設的なトライアルを促し、様々なリスク対応の事例等を蓄積したのち、長期的な視座のもと各国をリードするための環境整備を進めていくことが求められる。今後、経団連においても、DAOの試行的な運用等を行い、Society 5.0 for SDGs実現に向けたweb3活用のあり方を検討していく。

政府には、web3が人々のwell-being、ひいてはSociety 5.0 for SDGsの実現に貢献する形で活用されているかどうかを中長期的な観点からモニターし、活用の方向性や倫理等に関するステークホルダーの合意を形成することを期待する。経団連としても、こうした対話への参画を通じ、web3先進国への変貌に向けたわが国の取組みに積極的に貢献していく決意である。

以上

【関連用語集】

用語
概要
CeFiシファイ(Centralized Finance)。従来の伝統的な金融システム。中央集権型金融システム(⇔DeFi)。
DeFiディーファイ(Decentralized Finance)。中央管理者が存在しない金融システム(⇔CeFi)。
Dappsダップス(Decentralised Applications)。ブロックチェーン等分散型コンピューティングの仕組みを利用して実行されるアプリケーションの総称。
ICOアイシーオー(Initial Coin Offering)。事業の資金調達をしたい企業や個人等の発行主体が、株式の代わりにトークンを発行、販売して投資家から資金調達する手段。
MMORPGMassively Multiplayer Online Role-Playing Game。大規模多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム。
PoSプルーフオブステーク(Proof of Stake)。暗号資産を持っている割合(stake)に応じてブロックチェーン承認の成功率を決めること。
PoWプルーフオブワーク(Proof of Work)。保有する計算パワー、仕事量(ノード)に応じてブロックチェーン承認の成功率を決めること。
SAFTSimple Agreement for Future Token。新株予約権のように、将来発行されるトークンを割安で購入できる権利と引換えに資金を調達する方法。
ウォレットブロックチェーン上で暗号通貨を取引するために利用するアドレス。口座番号の役割を有する。ネット接続された状態でデスクトップやモバイル端末に暗号通貨を保管するホットウォレットと、ネット接続されていない状態でハードウェア等に暗号通貨を記録するコールドウォレットに大別。
ステーブルコイン価格安定性の実現のために設計された暗号通貨。裏付け資産がなく価格変動が激しい暗号資産を普及させるために考案。法定通貨担保型、暗号通貨担保型、無担保型等が存在。
スマートコントラクトブロックチェーンシステム上に設定されたルールに従って自動的に取引が実行されるプログラム。例えば、DAOの意思決定は、投票で賛成が過半数を超えた場合(またはネットワークのコンセンサスルールに設定された他のルールを満たす場合)に自動的に実行される。
セキュリティトークン証券の性質を備えたトークン。株式や債券等の有価証券をトークンにしたものや、不動産やアート等の所有権をトークンにしたもの等。株式や不動産等価値を裏付ける担保資産があり、投資性がある。
マイニングブロックチェーン上で取引データを含んだブロックを生成することで、暗号通貨の新規発行を行い、その報酬として暗号通貨を手に入れる行為。
ユーティリティトークンプロダクトの所有やサービス利用の権利、コミュニティの意思決定に投票する権利等の実用性を持ったトークン。価値を裏付ける担保資産がなく、投資性なし。

  1. ブロックチェーン技術を活用したインターネットのあり方。「Web 3.0」等と呼称されることも。
  2. 米国は本年9月、デジタル資産の「包括的な枠組み」に関するファクトシートを公表し、デジタル資産の取引及び決済を巡る技術革新の先頭に立ち続けることを明記。
    https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2022/09/16/fact-sheet-white-house-releases-first-ever-comprehensive-framework-for-responsible-development-of-digital-assets/
    また、英国は本年4月、「英国を世界的な暗号資産業界のハブにするための計画」を公表。
    https://www.gov.uk/government/news/government-sets-out-plan-to-make-uk-a-global-cryptoasset-technology-hub
  3. 「ブロックチェーン技術を基盤とするNFTやDAOの利用等のWeb3.0の推進に向けた環境整備の検討を進める。さらに、メタバースも含めたコンテンツの利用拡大に向け、2023年通常国会での関連法案の提出を図る。Fintechの推進のため、セキュリティトークン(デジタル証券)での資金調達に関する制度整備、暗号資産について利用者保護に配慮した審査基準の緩和、決済手段としての経済機能に関する解釈指針の作成などを行う」(2022年6月7日閣議決定「経済財政運営と改革の基本方針2022 新しい資本主義へ~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~」より)
  4. Non-Fungible Token(非代替性トークン)の略。ブロックチェーン技術によって真正性を担保されたデジタルデータ。
  5. VRゴーグル等を使い、アバター(分身)によって個人が自由に行動できる仮想空間。
  6. 2022年7月、経済産業省は大臣官房にWeb3.0政策推進室を設置。その後、総務省が8月1日に「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会」を設置。デジタル庁は10月5日、第1回「Web3.0研究会」を開催。金融庁は「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」において、Web3.0等に関する検討を継続的に実施。
  7. 管理主体が介在することなく、個人が自分自身のアイデンティティをコントロールできるようにするSSI (Self-Sovereign Identity:自己主権型アイデンティティ)等。
  8. 特定の管理者が存在せず、不特定多数のユーザーが参加できるブロックチェーン。これ以外に、特定の管理者のもと限られたユーザーのみが参加できる「プライベート型ブロックチェーン」等が存在。
  9. ここでは、web3を構築するための産業ではなく、web3の徹底的な活用を通じ各分野においてSociety 5.0 for SDGsに貢献するための産業を指す。
  10. ここでは、専用のブロックチェーンではなく既存のブロックチェーン上で動作する暗号資産(例:EthereumブロックチェーンのERC-20規格を活用したトークン)を指す。
  11. 法人税法第61条第2項、同法施行令第118条の7。
  12. 投資事業有限責任組合契約に関する法律第3条1項。
  13. 以下4点すべてを満たす暗号資産については、暗号資産交換業者自らが審査を適正に行うことで、JVCEAへの届け出のみにより取扱いが可能となっている(https://jvcea.or.jp/about/document/)。
    ① 3社以上のJVCEA会員企業が取扱いをしている
    ② 1社が取扱いを開始してから6ヶ月以上の期間が経過している
    ③ その取扱いにあたってJVCEAが付帯条件を設定していない
    ④ その他、JVCEAにて対象とすることが不適当とする事由が生じていない
  14. 例えば新潟県旧山古志村(長岡市山古志)では、「デジタル住民票」を兼ねて錦鯉のデジタルアート作品等のNFTを発行し、保有者による意思決定を行うなど、村おこしに自律的に参画する「デジタル村民」を実現している(http://yamakoshi.org/nishikigoi-nft公式サイト/)。
  15. 提供されるNFTがランダムに決定される販売方式。いわゆる「ガチャガチャ」形式等。
  16. Decentralized Autonomous Organization(分散型自律組織)の略。ブロックチェーン技術を用いて、意思決定の承認等を自動化した組織。
  17. DAOに参加したうえで意思決定に関する投票権を持つためのトークン。
  18. 例えば米国ワイオミング州は、2021年7月にDAO法(https://www.wyoleg.gov/Legislation/2021/
    SF0038
    )を施行し、2022年3月には法改正を行った(https://www.wyoleg.gov/Legislation/2022/
    SF0068
    )。同法はDAOに法人格を認め、その債務についてメンバーが無限責任を負わないとしている。
  19. 3 Dimensional Computer Graphics(3次元空間でのコンピュータグラフィックス)の略。

「科学技術、情報通信、知財政策」はこちら