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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年3月2日 No.3306 駐欧州大使等との懇談会を開催 -欧州情勢等について聞く

経団連のヨーロッパ地域委員会(佐藤義雄委員長、石塚博昭委員長)は2月10日、東京・大手町の経団連会館で、中西宏明副会長、永易克典副会長、飯島彰己副会長、審議員会副議長らの出席のもと、駐欧州大使ならびに国際機関代表部大使との懇談会を開催した。

座長を務めた石塚委員長は、会合の冒頭、英国のEU離脱問題に関し経団連として近くあらためて意見を取りまとめる予定であると紹介するとともに、日EU経済連携協定(EPA)の早期大枠合意への期待を表明した。

兒玉和夫EU代表部大使は、今年1月のメイ首相スピーチにより英国のEU離脱の方向性が示されたが、EU側は英国のいいところ取りは認められるものではなく、新しい枠組み協定交渉が正式に可能となるのは離脱後であり、英国が望む2年以内での交渉妥結は非現実的との見方であることを説明。交渉の行方は不透明であり、引き続き情報収集に努めていくと述べた。

鶴岡公二駐英国大使は、英国民はいまや円滑なBrexitの実現という目標で一致しており、メイ首相は国民の支持を基盤に強いリーダーとなっていると指摘。交渉においてわが国としても建設的な役割を果たすべく、英国進出日本企業と緊密に意見交換を行っていくとした。

木寺昌人駐フランス大使は、2カ月半後に迫った大統領選挙について、世論調査によると、フィヨン元首相、マクロン前経済相を抑え反EUを掲げる国民戦線のルペン党首が1位となっているものの、決選投票では「極右政権阻止」の超党派の結集をしのぐ得票は容易ではないとの見込みを示した。

八木毅駐ドイツ大使は、9月の連邦議会選挙に向けて、4期目を目指すメルケル首相にとって、難民の大量流入やテロの発生、また、右派ポピュリスト政党「独のための選択肢」の躍進など厳しい状況が続いていると説明。選挙後、次期政権の樹立に向けた新たな連立の組み合わせが注目されるとした。

上月豊久駐ロシア大使は、ロシア経済は小康状態にあるが、所得低下による国民生活への打撃等の課題に、プーチン政権は国防費削減、社会・福祉関連支出の増加等で対応しており、外交面では米新政権との関係を注視する必要があるとした。日露関係では8項目の協力プランの具体化が重要だと強調した。

本田悦朗駐スイス大使は、スイス経済はスイスフラン高の影響で成長率が鈍化しデフレが懸念されるものの、憲法上の制約があり大規模な財政政策の実施が難しいこと、また、量的緩和政策にも限界があること等、政府は手足を縛られており有効なマクロ経済対策を行いにくいため、やむなくマイナス金利を導入していると説明した。

伊原純一ジュネーブ代表部大使は、WTOでは、164の加盟国による貿易自由化とルールづくりがますます困難になっており、最近では環境物品に関する協定や新たなサービス貿易協定交渉など、主要国を中心に複数国間で交渉が行われていると説明。目下ジュネーブでの最大の関心事項は米新政権の動向だと述べた。

大江博OECD代表部大使は、世界経済においてOECD加盟国が占める割合の低下に加え、米新政権や欧州の動向等を受け、グローバル・ガバナンスにおける存在意義の維持・向上がOECDにとって喫緊の課題だと指摘。アジアの加盟国は日本と韓国のみであり、ASEAN諸国のOECDへの関心喚起が重要との考えを示した。

【国際経済本部】

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