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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年2月2日 No.3302 在ロシア日本センター所長との懇談会を開催 -各地域の経済情勢や今後の展望など/日本ロシア経済委員会

経団連の日本ロシア経済委員会(朝田照男委員長)は1月17日、東京・大手町の経団連会館で、日本政府が日露経済交流の促進を目的としてロシア国内6カ所に設置した日本センターの各所長との懇談会を開催した。任地の経済情勢や日露経済交流の現状、さらに昨年活発に行われた、一連の日露首脳外交を踏まえた今後の展望等に関する各センター所長の説明の概要は次のとおり。

■ 濵野道博モスクワ所長

ロシア経済をめぐる状況は依然厳しい。実質購買力の低下に伴い、国内消費市場が低迷し、景気後退から抜け出す兆しはいまだみえない。潤沢な連邦準備金も2018年には底をつくかもしれないことから、経済政策の思い切ったかじ取りが求められる。

こうしたなか、モスクワをはじめ全国6カ所の日本センターでは、日露両国企業への研修事業やビジネスマッチング、日本語講座、地域間・大学間交流等への協力を実施している。厳しい経済情勢を反映して、新規投資を回避しコスト削減を実現する「カイゼン」への需要が高い。ロシア企業のニーズも踏まえ、今後とも日露間の交流と協力の拡大に注力していきたい。

■ 松原斉サンクトペテルブルク所長

昨年末のウラジーミル・プーチン大統領訪日により、官民一体で経済協力を拡大していこうという機運が高まっている。とりわけ、日露企業間で調印された68件の覚書等については、政府系金融機関による支援も得ながら、1つでも多くの案件の実現に期待したい。

日本との経済関係に関して当地は、(1)自動車産業を中心とした生産基地(2)現地販売拠点(3)和食や日本文化関係のビジネス展開拠点――という特徴を有する。自動車産業関連の部品メーカーを中心とした活発な交流拡大を期待したい。

■ 佐竹昭彦ニジニー・ノヴゴロド所長

当センターが所管する沿ヴォルガ連邦管区は、自動車や機械など工業の中心地であり、13の連邦構成主体と全国の2割の人口を擁する。投資に関する地域ランキングでは、スヴェルドロフスク州やタタルスタン共和国をはじめ上位にランクされる構成主体も少なくなく、国内外の企業が投資しやすい環境が整備されている。

地方自治体レベルでは、宮城県とニジェゴロド州の交流を後押ししており、今年もサッカー交流やビジネス・サミットを実施する予定である。

■ 鏡芳和ハバロフスク所長

官民合同の地域間交流会議や日露中小企業対話等が開催されるなど、2016年、当地は一躍脚光を浴びた。また、日本の栽培技術を導入しハバロフスク市内の植物工場で育てた野菜が店頭に並ぶとともに、本格的日本レストランもオープンした。

ハバロフスク地方政府のホームページには日本語で投資案件リストが掲載されるなど、日本への期待の大きさがうかがわれる。当地を訪問し、新規ビジネス開拓の可能性を検討してほしい。

■ 河原和尊ウラジオストク所長

大統領臨席のもと、毎年9月に開催される「東方経済フォーラム」や先進発展経済特区、ウラジオストク自由港など、ロシア極東の沿海地方は話題に事欠かない。とりわけ、投資誘致のための優遇税制により、日本企業の関心がとみに高まっている。

ウラジオストクに進出している日系企業数は、モスクワの198社、サンクトペテルブルクの57社に次いで47社を数え、自動車や食肉関連をはじめ、今後のロシア企業との協業拡大が期待される。

■ 山本博志サハリン所長

50万人以下の人口ゆえ、サハリン州では既存のエネルギー案件以外のビジネスチャンスが乏しいと思われがちであるが、就任して1年余りのオレグ・コジェミャコ知事は、従来の石油・ガス産業に加え、農林水産業や観光業など新たな分野に注力している。

北海道と姉妹都市関係にあり、日本から最も近いサハリンにぜひ関心を持ってビジネスを拡大してほしい。

【国際経済本部】

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