環境問題への取り組みは、企業の存在と活動に必須の要件である。経団連ではこの考えに基づき、1997年に「経団連環境自主行動計画」を発表した。以降、地球温暖化対策や廃棄物対策の着実な推進を図るべく、産業界の取り組みの状況を毎年フォローアップしている。
この経団連の取り組みは、昨年6月に政府が決定した「地球温暖化対策推進大綱」で、日本の温暖化防止対策の重要な柱として位置づけられている。
CO2排出量に係る今回のフォローアップの対象は、鉄鋼、化学、電力など産業・エネルギー転換部門31業種である。この31業種からのCO2排出量は、1990年度で、日本の総排出量の約42%、産業・エネルギー転換部門全体の排出量の約75%に相当した。
この31業種のCO2排出量は、98年度は1.26億トン・カーボンで、90年度比で2.4%減少、97年度比で6.0%減少した。この理由は、不況により産業の生産活動が停滞したこともあるが、CO2排出原単位やエネルギー原単位の向上を目標に掲げた24業種の内、18業種でエネルギー効率が改善されていることである。従って、各業種・企業の努力は、確実にCO2排出削減に結びついている。
なお、この調査結果は、10月25日〜11月5日にドイツのボンで行われるCOP5で報告する。