規制の問題は、時代に合わない規制や目的を達成した規制が存続し、既得権益化することである。このため、無用になった規制を撤廃することが重要である。また、同時に、21世紀に向けて、新しい国づくりのために規制を入れ替えていくことも必要である。経団連では従来から規制緩和という言葉を使ってきたが、このような考えから、今後、規制改革と表現することにした。
現在の規制改革の大きな目標は、戦後50年の間に制度疲労を起こした日本の経済構造を改革し、新しい事業が次々と生まれる活気ある経済環境を作ることである。この改革なくしては、加速するボーダレスな大競争社会において、日本経済を再生することは難しい。
この提言で訴えているのは、政府は国づくりのフィロソフィーに則った規制改革を推進すべきということで、約450件の規制改革を要望している。
また、企業の側も規制改革の中で、新しい市場を開拓するという意気込みと、新しい日本をつくるというフィロソフィーをもって経済構造改革に臨んでいかねばならない。