[経団連] [記者会見の記録]
1999年9月29日
(社)経済団体連合会
- 片田副会長説明要旨
(提言の掲載項目を紹介した後)経団連は、2001年4月のペイオフ凍結解除は、基本的に予定通り実施すべきとの考えである。但し、その前提条件として、4点が必要である。
第1は、金融システムの一層の安定が図られることである。金融機関による不良債権処理の早期解決や、業界再編、業務提携などが求められる。
第2は、新しいセーフティネットを早急に整備し、法制化を実現させることである。早期是正措置の発動基準の見直しや、米国のP&A方式に類する、迅速な営業譲渡制度の整備、ロスシェアリング契約方式の導入などが必要となる。
第3は、ペイオフの意味づけや、制度の改定の方向について、国民への説明を、わかりやすく、前倒しで行なうことである。
第4は、2001年4月時点で、日本経済が安定していることである。
- 質疑応答
- 記者:
- (必要な法整備を行なうことにより)決済機能の維持が十分に可能になるとのことだが、これは決済性預金を特別に保護する必要がないということか。
- 片田副会長:
- 現在、金融審議会で検討されている段階であり、後々大きな議論になると思うが、経団連としては、決済性預金の全額保証が必要にならないように処理すべきと考えている。
決済性預金の全額保証には、問題点が2つある。第1は、決済性預金とそれ以外の預金をどう区別するかという問題である。第2は、決済性預金の保証は、主に、金融機関の情報を一般市民より多く持つ、中小企業や個人事業主に関係した問題だ。これを全額保護するのであれば、一般市民の預金は全て保証すべきであるということになり、結局ペイオフを解除しないのと同じことになってしまう。
- 記者:
- 二次ロスについて、適切な範囲での損失補填が必要とのことだが、そのために法改正まで必要と考えるか。
- 片田副会長:
- ロスシェアリング・ルールの法制化に向けて働きかけていく、という点では経団連の考えは一致している。
- 記者:
- 経団連は金融機能が維持できればよいと考えているのか。
- 片田副会長:
- 破綻処理を早くできるようにする必要がある。監督体制の中にも改善すべき問題がある。現行法では、債務超過に至らないと、早期是正措置が発動できない。米国のように、もっと早く発動できるようにすれば、破綻が防止され、国民の負担を軽減できる。

以 上
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