金融システムの安定化を図る上で、債権分類、引当基準について透明度の高いガイドラインを作ることは重要であり、経団連としても、従来より強く求めてきたところである。
今般、金融監督庁の金融検査マニュアル「中間とりまとめ」の公表により、金融検査が当局主導型から自己管理型へ、資産査定中心からリスク管理重視型へと大きく転換することがうたわれたことは、わが国の金融システムに対する内外の信頼度を高めるものと評価する。
但し、わが国経済の現状に鑑み、下記について、十分な配慮を求める。
金融検査マニュアルの運用にあたっては、昨年来の二度にわたる大規模な経済対策や一連の信用収縮対策などとの整合性を図る。
自己査定に関する検査においては、各債権の個別事情も十分勘案する。
自己責任原則に基づく自主的な経営を基本としつつ、取締役会の役割などについては、商法等の法律の解釈ならびに自民党における「企業統治に関する商法等の改正」に向けての検討状況に十分配慮すべきである。
なお、金融検査マニュアルは、銀行法に関連する金融検査を目的とするものであると認識している。