流通分野における一層の規制緩和を要望する・各 論

1.国による規制の緩和要望

建築基準法関係


(15) 第一種低層住居専用地域の店舗立地規制の緩和

要望事項

第一種低層住居専用地域において150m2以内の店舗の建設を原則として認めるべきである。

要望理由

建築基準法は、第一種低層住居専用地域では、50m2を超える店舗の建設を制限している。 小売業においては、専門店・準専門店が減少する中で、コンビニエンスストアは一貫して増加を続けている。コンビニエンス・ストアの販売額は全小売販売額の約6%を占めており、コンビニエンス・ストアは生活インフラとして欠かせない存在となっている。 91年から94年の間に住宅地域で専門店・準専門店の数がそれぞれ9.3%、7.0%減少している(出典:商業統計)なかで、コンビニエンス・ストアは12.1%増加しており、コンビニエンス・ストアは、特に乗用車などの交通手段を持たない高齢者等にとって、毎日の生活に必要不可欠な存在となっている。 近隣住民の最寄り品の購買需要に応えるためには、通常、約3000アイテムの商品を扱うことができる店舗面積150m2程度のコンビニエンス・ストアが必要であり、実際にコンビニエンス・ストアの平均店舗面積は134.7m2となっている(出典:商業統計)。ちなみに店舗面積が50m2までの場合、700アイテム程度が限界である。

所管官庁

建設省

規制の根拠となる関係法令等

建築基準法 第48条

(16) 建築基準法による駐車場の面積・階数規制の緩和

要望事項

商業施設に附属する駐車場について

  1. 第二種中高層住居専用地域については、階数に係る建築規制を廃止すべきである。
  2. 第一種住居地域・第二種住居地域については、面積及び階数に係る建築規制を廃止すべきである。

要望理由

建築基準法では、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域・第二種住居地域について、同一敷地内にある建築物に附属する駐車場の床面積の合計を、原則、その建築物の延べ面積(駐車場部分を除く)以内とし、2階までに制限している。
モータリゼーションの進展に伴い、商業施設にとって、店舗の規模が大きくなればなる程、十分な駐車スペースを確保することが不可欠な条件となっている。大規模な店舗が立地可能な第一種及び第二種住居地域において駐車場の面積を制限することは、違法駐車、交通混雑、渋滞、ひいては大気汚染等の問題を引き起こす惧れがある。
騒音・排気ガスなどの問題は、階数規制で、必ずしも解決されるものではない。むしろ、駐車場の構造基準などによって解決を図るべき問題である。

所管官庁

建設省

規制の根拠となる関係法令等

建築基準法 第48条

(17) 建築基準法による映画館等の建築規制の緩和

要望事項

  1. 店舗面積について制限が課されていない第二種住居地域や工業地域において、映画館等の立地規制を廃止べきである。
  2. 近隣商業地域と準住居地域の映画館等の建築については、客席面積にかかわる規制を廃止すべきである。

要望理由

  1. 新たな商業施設をつくる場合、映画館等と組み合わせた複合的な施設とすることが多くなってきている。映画館のような健全な娯楽施設を商業施設と一体化してつくることは、消費者のニーズやライフスタイルの変化とも合致し、地域経済の振興に資することが期待される。大規模な店舗や飲食店等の商業施設の立地が認められている第二種住居地域や工業地域においても、商業地域等と同様に映画館の建築を認めるべきである。
  2. 近隣商業地域と準住居地域については、現行、客席部分が200m2未満の映画館等の建築が認められているが、200m2未満では、約75席程度までしか座席が設けられない。近年、ビデオ、衛星放送、ケーブルテレビ等の普及により、家庭において映画を鑑賞することが日常化しており、高画質かつ大きな映像、より良い音響設備、ゆったりとした座席等を提供しなければ、映画館への集客は困難となっている。しかし、200m2未満の映画館について、こうした設備投資を行なうことは投資効率上、事実上不可能である。ちなみに、一般に映画館は、150席以上の席数を有していることが多い。

所管官庁

建設省

規制の根拠となる関係法令等

建築基準法 第48条


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