[目次] [主要論点] [第I章] [第II章]

多角的自由貿易体制のさらなる促進を目指して

〜世界貿易機関(WTO)シンガポール閣僚会議に望む〜

主要論点


  1. わが国経済界は多角的自由貿易体制ならびにその推進機関として創設されたWTOの健全な機能の維持・強化を全面的に支持する。WTOシンガポール閣僚会議の政治的な推進力によって、自由貿易体制が前進することを期待する。

  2. WTOの信頼性を高め、機能強化を目指すためには、各国がUR合意の実施を着実に行うことが不可欠である。一部諸国においてWTO協定ならびに多角的自由貿易の精神に違背すると思われる措置が採られており、事業活動上の障害となっていることは誠に遺憾である。シンガポール閣僚会議での最重要課題はウルグアイ・ラウンド(UR)合意の確実なる実施を各国閣僚が再確認することである。

  3. WTO協定に将来の交渉・検討等が定められているサービス貿易一般協定、ダンピング防止協定、知的所有権貿易関連協定(TRIPs)などの「ビルト・イン・アジェンダ」の確実な実行を求める。とりわけ、わが国経済界は、一部諸国によるダンピング防止措置の恣意的発動が、加盟国の総意である自由貿易体制の精神を損ない、世界を保護主義に傾かせる恐れがあることを強く懸念している。

  4. わが国経済界は、将来に向けた自由貿易体制の更なる発展を目指し、WTOにおける以下の取り組みを求める。
    1. 「貿易と投資」に関する検討の開始
    2. 地域経済統合のWTO整合性に関する規律の見直しならびに審査の強化
    3. ダンピング防止協定における規律の強化
    4. 紛争解決機能の強化

  5. 中国のWTOへの早期加盟を支持する。

以 上


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