循環型社会の構築に向けた課題

−廃棄物対策の促進に向けて−

（要旨／本文はこちら）

１９９６年９月９日
(社)経済団体連合会

はじめに
（循環型社会の構築に向けた意識改革）

• 廃棄物問題の解決に向けて行政、事業者、処理業者、消費者の間で、各々の責任を分かち合い、共に取り組む
• 廃棄物でなく資源あるいは副産物として位置づける
• リサイクルは企業経営上の重要課題であると認識する

基本的考え方
（循環型社会の構築に向けた制度改革の方向性）

1. 産業廃棄物処理施設を国の重要な産業インフラとして位置づけること
2. 産業廃棄物処理業の育成
3. 中長期的課題として、一般廃棄物と産業廃棄物の区分による処理体制の見直し

今後講ずべき施策

廃棄物の排出抑制・リサイクルの推進

1. 排出削減・リサイクルへの自主的取組みの促進
2. リサイクル促進のための規制緩和

産業廃棄物処理施設の整備促進

1. 公共関与の一層の推進
2. 設置手続きの明確化

不法投棄・不適正処理防止策の強化

1. 適正処理に向けた排出事業者の取組み
2. 行政の役割
   1. 取締り・罰則の強化
   2. 適正処理に向けた環境整備
      1. 許可基準の見直し
      2. 適正処理の確認体制の整備
      3. 有害廃棄物処理の推進

不法投棄の原状回復についての考え方

• 適正処理を行っている事業者に不法投棄の原状回復費用を負わせるべきでない。
• 現在生じている問題：
  取締りが十分でなかった面は否定できない。個々の事例毎に事態がそこまでに至った責任の所在を明らかにし速やかに原状回復を図る。
• 今後の問題：
  不法投棄対策を徹底し根絶を図る。それでもなお、投棄者不明で生活環境に重大な影響があり、浄化が必要とされる事態が生じた時は、その段階であらためて、必要な費用を手当てする何らかの方策を検討すべき。