経済活性化に向けて、実効ある大胆な緊急経済対策の実施を求める
1995年6月22日
社団法人 経済団体連合会
わが国経済は、景気の腰折れが強く懸念される厳しい局面にある。急激な円高や最悪の雇用情勢のもと、国民が将来に対する明確な展望が持てないことが、経営者や消費者のマインドに悪影響を与えており、加えて、資産デフレ問題が、経済の自律的回復の足かせとなっている。
こうした状況に対応するためには、緊急に実効ある内需振興策の実施と規制の撤廃・緩和が不可欠となっている。これにより、設備投資や消費に対する大きな波及効果が期待され、雇用問題の是正がもたらされる。
経済界においては、円高差益の還元に率先して努めるとともに、企業家精神を最大限に発揮し、痛みを伴う構造改革に真剣に取り組んでいく決意である。他方、政府においても、大胆かつ新鮮な発想で諸政策を実施に移していかなければならない。
以上の観点から、下記の通り提言するものである。
【記】
- 税制の緊急改正
- 法人税率の引下げ、地価税の廃止等、法人の税負担を軽減する。
- 株式市場の活性化のために有価証券取引税を撤廃し、自己株式消却に伴うみなし配当課税を廃止する。
- 平成8年度も所得税の特別減税を継続し、平成9年度以降についても、景気情勢に応じ、特別減税を継続する。
- 土地流動化のため土地譲渡益重課制度を廃止する。
- 内需振興
平成7年度予算の公共事業を前倒しで執行するとともに、第1次補正予算を上回る大規模な第2次補正予算を編成する。なお、公共投資基本計画については、21世紀を見据え、重点的な配分を行う。
- 不良債権処理
公的資金の導入を含め、抜本的な解決策を策定する。
- 金融緩和
公定歩合の引下げを含め、一層金融を緩和する。
- 規制の撤廃・緩和
- 現行の規制緩和推進計画を前倒し実施する。
- 規制緩和推進計画を一層拡充する。
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