ハートフォード判決は、米国反トラスト法の域外適用における礼譲に係わる唯一の連邦最高裁判決であり、下級審での判断も異なり票決も僅差で有力な反対意見があったことからも、リーディング・ケースとするには不十分である。英国をはじめ同判決への批判も多く、このような判決を基に理論を構築することは問題であると思われ、ガイドラインに対する各国意見を公平な観点から分析し、双方の国法に従うことができる場合における国際礼譲の尊重につき再考すべきである。
外国当局と共同して作業するか、外国当局の執行努力による救済を待つことになる、としているが、どのような場合にどのアプローチを採るのか使い分けの基準が不明確である。