当会は92年11月、北米自由貿易協定(NAFTA)の重要性に鑑み、NAFTA締約国が早期
にGATT審査を受けることを要望した。その後、世界最大の自由貿易地域であるNAFTA
が本年1月に発効したが、域外国には域内との貿易・投資増大の期待が高まる一方で、
依然としてNAFTAの地域主義的傾向に対する懸念が残っている。NAFTA締約国はGATT上
の義務の履行に加え、多角的自由貿易体制推進の観点から協定の運用が貿易の流れに
与える影響にも配慮することが求められる。
今後行われるGATT審査においては、上述の観点から詳細な検討を行うとともに、
95年1月の発効を目指しているウルグアイ・ラウンド諸協定との整合性を確保すべ
である。