平成22年4月27日

厚生労働大臣
長妻 昭 殿

日本経済団体連合会会長御手洗冨士夫
日本労働組合総連合会  会長古賀伸明
全国健康保険協会理事長小林 剛
健康保険組合連合会会長  平井克彦

高齢者医療制度の再構築に向けて(要望書)

政府は、高齢者医療制度の再構築に向け、「高齢者医療制度改革会議」を中心に議論を進めている。このたび、被用者保険に関係する4団体で協議した結果を踏まえ、4団体は政府に対して以下の事項を要望する。政府におかれては、これらを斟酌され、高齢者医療制度改革会議の中間とりまとめ、最終とりまとめに臨んでいただきたい。加えて、来年度以降の政策の策定や予算編成に向けても、これらの要望が十分に活かされることを強く要望する。

1.高齢者医療制度に対する公費負担の拡充

現在の高齢者医療制度は、現役世代に対して過重な負担を求めている。人口の高齢化等により医療費の増大は避けられず、このままでは現役世代は過重な負担に押し潰されてしまう。よって、

  1. (1) 医療保険制度全体を持続可能なものにしていくために、新たな高齢者医療制度の構築に際しては、公費負担を拡充していただきたい。併せて、公費負担拡充のための安定財源を確保する必要があり、それを実現するための道筋を早期に示されたい。
  2. (2) こうした改革が実現されるまでの間、被用者保険の各保険者に対する財政支援の継続と拡大を要望する。

2.地域保険と被用者保険の維持と発展

高齢者医療制度を支える現役世代の医療保険制度については、従来どおり、地域保険は国保が、被用者保険は健保組合、協会けんぽ等の各保険者が担い、それぞれが加入者の特性に応じた保険者機能を発揮する制度体系が最善である。

保健事業や医療費適正化への積極的な取り組みは、国の期待に応えるものであると同時に、医療保険制度全体の安定化にも寄与するものであるが、これらの取組みについては、被用者保険の各保険者が、職域の基盤を最大限に活用し、事業主と従業員の協力のもと効率的な運営に努めることが重要である。

将来にわたり、国保と被用者保険の両者が共存する制度体系を維持し、地域と職域、それぞれの保険者機能を活かしつつ発展させていくことを要望する。


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