2010年2月23日 (社)日本経済団体連合会 日本商工会議所 (社)経済同友会 |
気候変動問題は、全ての国が実効ある対策を長期にわたり講じていかなければならない重要課題である。わが国産業界としても、世界最高水準の優れた環境・エネルギー技術を最大限活用し、温暖化防止に向け主体的な貢献を行う決意である。
わが国の温暖化対策の策定にあたっては、経済や雇用等に与える影響を国民に十分情報提供した上で、国際的な公平性、実現可能性等を踏まえ、国民的な議論を行っていく必要がある。国民の理解と合意なくして、効果的に政策を進めることはできない。
また、その前提として、「すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組の構築及び意欲的な目標の合意」の実現に向け、わが国としてあらゆる外交努力を傾注すべきである。
以上を踏まえ、今通常国会への提出に向け、政府において検討が進められている地球温暖化対策基本法案については、未だ詳細な内容が国民に明らかにされていないものの、とりあえず下記の通り、産業界の意見を述べる。
1.地球温暖化対策基本法案は、わが国の経済や雇用、国民生活に大きな影響を与えかねない内容を数多く含んでいる。法案の作成にあたっては、個別政策の設計やその効果、国民・企業への影響などを明示したうえで、産業界、労働組合、消費者など幅広い国民の声を直接反映するためのプロセスを丁寧に積み重ねていただきたい。
2.国内排出量取引制度や地球温暖化対策税、再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度については、これらの政策全体の効果・影響を十分検証した上で、十分な国民的議論を経て法案に盛り込む必要性を判断していただきたい。
3.わが国の中期目標についても、実現のための具体的な道筋、政策等をまず明示するとともに、先に述べた前提条件の確保の基準を明確に示し、国民の理解と合意の上に決定していただきたい。