産業界は、製造工程および製品の両面における世界最高のエネルギー効率のさらなる向上、優れた環境技術の開発および地球規模での普及など地球温暖化問題の解決に、引き続き主体的に取り組む決意である。
そのためには、企業活力の維持・強化が不可欠である。
中期目標の設定にあたっては、国際的公平性、実現可能性、国民負担レベルの妥当性等が確保されるべきであり、とりわけ下記の点にご配慮いただきたい。
同時に、ポスト京都議定書の国際枠組については、基準年を2005年とするとともに、米国、中国、インドといった主要排出国が、意味ある形で参加することが不可欠と考える。
1.公平な国際競争条件を確保するため、わが国の削減目標が、限界削減費用等で見て欧米の目標と同等となる必要がある。
なお、欧米では、CDM等を含めた中期目標の検討がなされているが、わが国との削減水準の比較においては、国内対策による削減分のみを比較の対象とすべきと考える。
2.中期目標の検討にあたり、セクター別に削減ポテンシャルを積み上げる手法が採られたことを評価する。
民生・運輸部門等の目標達成は、新エネ・省エネ製品の消費者への普及に大きく依存しており、政府の取組みを強く求めたい。他方、政府の想定通りに普及せず、民生・運輸部門等での目標が未達成となる場合は、政府の責任で必要な手当てをすべきである。
3.温暖化問題の真の解決の鍵を握るのは技術である。技術開発の担い手たる企業の活力を削ぐような政策(環境目的の新規課税、強制キャップを伴う排出量取引制度等)は導入すべきではないと考える。
4.温暖化対策に伴うエネルギーや製品の価格上昇等の負担増加について、理解や納得が得られるよう、政府が国民に対し十分な説明を行うことが求められる。