地球温暖化防止のためのオフィスや家庭部門での
取組みフォローアップ調査結果

1. 京都議定書の約束期間（2008年〜2012年）を目前に控えて、地球温暖化対策への取組みはますます重要になっている。わが国全体のCO₂排出量の動きを見ると、2005年度では、エネルギー起源CO₂排出量が90年度対比で13.1％増加している。その内訳は、産業部門からの排出が5.5％減少する一方で、オフィスや店舗等の業務部門からの排出は44.6％、家庭部門からの排出は36.7％と大幅に増加しており、今後は行政、地方公共団体、労働組合、NGO等と産業界が連携・協力し、一体となった活動を展開していくことが極めて重要となっている。

2. 日本経団連では、去る６月１日、御手洗会長より、全会員企業・団体に対して、オフィスや店舗等におけるエネルギー効率の改善に向けた対策強化や、国民運動への協力の一環として、環境家計簿の奨励などによる従業員の家庭レベルでの一層の取組み強化などを要請した。
   （「地球温暖化防止に向けた取組み強化のお願い」）

3. 今般、そのフォローアップとして会員企業を対象にアンケート調査を実施した。

   アンケート調査の概要

   (1) 対象：日本経団連会員企業1,336社。回答483社(36.2％)

   (2) 実施時期：2007年8月下旬〜9月上旬

4. 主な結果は以下の通りとなり、オフィスビルでの省エネ活動や、従業員の家庭における温暖化防止についても、より一層積極的に取組む企業の実態が明らかとなった。（詳細は別添の通り <PDF>）

＜産業界がオフィスビルにおいて実施している活動＞

• オフィス内部での日常的な省エネ活動として、「冷暖房温度の調節」や「消灯等の節電」を実施する企業の割合は９割以上に定着している。

＜オフィスにおける数値目標の設定状況＞

• オフィスビルにおける省エネ活動を推進するうえで、数値目標を設定している企業は約６割に達する。また、数値目標を設定していない企業の中でも約２割の企業が何らかの目標設定を検討している。
• 数値目標を設定している約６割（59％）の企業のうち、(1)床面積あたりエネルギー消費量等の「原単位目標」を採用している企業が13％　(2)エネルギー消費量やCO₂排出量等の「総量目標」を採用している企業は46％であった。目標の到達時期については、京都議定書の第一約束期間（2008〜2012年度）の中央年にあたる「2010年度」に設定する企業が19％と最も多く、自発的にわが国全体の目標達成に貢献しようとする企業の姿勢が窺える。

＜オフィスにおける空調温度の調節状況＞

• 今夏、７割以上の企業が冷房温度を「28度」に設定（平均冷房温度は「27.6度」）。冷房温度の調節対象範囲を回答した企業（83％）の総床面積は、約2,763万m²であり（東京ドーム 約600個分）、約28,700トン-CO₂/年の省CO₂効果があったと試算できる。
• 冬季は５割以上の企業が暖房温度を「20度」に設定（平均冷房温度は「21.1度」）。暖房温度の調節対象範囲を回答した企業（81％）の総床面積は、約2,447万m²であり（東京ドーム 約530個分）、約18,000トン-CO₂/年の省CO₂効果があるものと試算できる。

＜環境家計簿の活用による家庭部門での取組み状況＞

• 従業員の家庭において、環境家計簿の活用を推奨している企業は16％となったが、この３年間の動向を見ると、急速に普及している（昨年９％、一昨年８％）。今後、従業員に推奨することを予定している企業ならびに検討中の企業の比率は34％にのぼり、環境家計簿がさらに普及することが期待される。