[ 日本経団連 ] [ 意見書 ]

日GCC(湾岸協力会議)経済連携協定の早期交渉開始を求める

2005年9月13日
(社)日本経済団体連合会

世界的に資源需給が逼迫するなか、わが国が現在原油の約7割を輸入しているGCC(湾岸協力会議)諸国との関係強化は、持続的かつ安定的に資源エネルギーを確保するうえで極めて重要な課題である。

また、わが国にとってGCC諸国は世界第4位の貿易相手地域であり、わが国からの輸出規模でも、既にわが国が経済連携協定(EPA)の取り組みを開始している国々とも遜色のない規模を有している。とりわけ昨今の原油価格の高騰も背景にした購買力の一段の高まりが見られるなか、GCC諸国はわが国産業界にとって引き続き有望な市場となっており、貿易ならびに投資障壁を含めたビジネス環境の更なる整備が強く求められている。

他方、GCC諸国の市場をめぐる主要国との競争は年々激化しており、既にGCC諸国はわが国を除く主要国・地域との間で自由貿易協定(FTA)等の交渉を開始している。このようなGCC諸国を取り巻く各国の動きにわが国が後れを取ると、EPAが存在しないことによる関税負担が引き続き発生し、わが国企業は輸出産業を中心に深刻な経済的実害を被る惧れがある。

このような観点から、GCCとの間で、FTAの要素のみならず、エネルギー分野やビジネス環境整備を含む包括的なEPAを推進することは、わが国が歴史的に友好関係を築き上げてきた対中東外交において戦略的に極めて重要な意義があるとともに、わが国企業がGCC諸国の市場において優位性を確保するうえでも必要不可欠である。従って、わが国政府としても、GCCとの合意に基づきEPAについての共同研究会を設置するなど、日GCC経済連携協定の交渉開始に向けた取り組みを早急に進めることを強く期待する。

以上
(※) GCC加盟国 : アラブ首長国連邦、バーレーン、サウジアラビア、オマーン、カタール、クウェート

日本語のトップページへ