日本がこれからグローバル経済のなかで競争に勝ち抜いていくためには、経済が回復基調にあるいまこそ、もてる経営資源釈�蓿繙就�粮㏍芍��轣蛹≒鳫�笏蜿遐�竚癈鷭∂焜聨纃瘟赧漓�籬�㏍聽轣蛹就箒羃甦攻羝慌繙⊂桿轣蛹Γ蔚飴頏阡繝�籟鹿畩が見込まれる有望分野へ積極的に振り向ける「攻めのリストラ」が必要である。そのためには、「交易立国」と「科学技術創造立国」の推進、さらにはそれらの活動を支える「人材力」の強化が必須の条件となる。経営者は、企業活動を通じて従業員自身が自らの人材力を高め得るよう積極的な環境条件づくりに取り組むことが求められる。企業が「攻めのリストラ」を進めていくためには、従来以上に規制改革を積極的に推進し、民間事業者の創意工夫を引き出す環境が整備される必要がある。
また日本は、自然災害が起こるリスクが非常に高い国である。災害に強い社会を構築するためには、中央・地方レベルで、行政、企業、NPOなどの連携と、それぞれの強みを発揮できる環境整備を進めることが必要である。さらに、近年の治安悪化は社会全体に大きな不安をもたらしている。本来、治安の維持は、国、地方自治体の責務であるが、地域コミュニティ、学校、産業、企業など社会をあげて協力体制を築いていくことが必要である。
経済活動がグローバル化するなか、自由貿易を国是とする日本にとって、世界各国との貿易・投資をはじめとする国境を越えた経済活動が自由かつ円滑に展開しうる制度的基盤が不可欠となっている。このためには、貿易を通じた相互依存の関係の強化だけでなく、政治対話の緊密化も進め、観光、学術、文化などさまざまなレベルでの交流を相互に深めていくことが大切である。
日本の競争力強化のためには、経済連携の推進、とりわけ東アジア自由経済圏の形成へ、イニシアチブを発揮することが求められる。東アジア自由経済圏の確立には、日本、中国、韓国の連携が不可欠であり、この3国の一層の友好関係の確立・発展に注力すべきである。
とりわけ人材以外に資源のないわが国においては、少子化対策の優先順位を高く位置づけ、思い切った財政投入や規制改革を行なうなど、少子化対策に挑む、国としての意志を明確に示すべきである。企業においても、子育て支援への取り組みは、人材の確保や従業員の働きやすさの向上、多様な働き方の実現などを通じて、従業員の意欲向上や生産性、業績の改善につながる可能性が高い。今後は働き方を見直し、各個人・家庭が自らの選択において、仕事と生活の調和をはかれる環境整備が重要となる。
高齢化は、経済面においては、需要構造の変化による一部産業の衰退、将来の発展の原資としての貯蓄率の減少という問題を生じさせる。しかし、需要構造の変化に対しては、新しいビジネスを次々と立ち上げることが肝要であり、特に、膨大で多様である高齢者層の消費ニーズに適う市場を目標とする事業機会の拡大が期待される。貯蓄率の減少への備えとしては、資本の生産性を高めることと、対内直接投資の誘致など世界からの資金の流れを拡充することが重要である。
これからの社会保障は、税制・財政とあわせて一体的改革を行ない、負担と給付について国民が納得できる姿にすべきである。歳出を長期にわたり抑制し、社会保障制度の持続可能性を確保するためには、消費税率の引き上げが避けられない。
社会保障制度見直しの第1の課題は、経済活力の維持とバランスのとれた負担水準の実現である。国・地方公共団体を通じて歳出全般を徹底的に見直し、将来にわたり潜在的国民負担率を50%程度にとどめるべきである。第2の課題は、公的給付範囲の合理化である。食住など高齢期のもっとも基本的な生活費は年金でまかない、年金受給者の医療・介護保険制度で重複給付されている食住費などの給付を整理し、公的給付を絞るべきである。第3の課題は、社会保障制度の公正性の確保である。給付と負担のアンバランスを解消するために、「社会保障番号」と「社会保障の個人会計」の整備を提案したい。
社会に富をもたらす主体である企業の活動を支えるのは企業労使である。企業労使は自らが社会の安定帯であるという自覚をもち、労使自治の精神によって、企業の発展や政策・制度を含む、働く人々の環境を改善していく役割を担っていかなければならない。
経営と労働をめぐる環境は大きく変わりつつあり、労使が対処すべき課題は数多い。なかでも、少子化・高齢化が進展するなか、自社の人材をいかに動機づけ、活用していくか、またそのための効果的な仕組みづくりをどう進めていくかが、もっとも重要な課題である。その基本的な取り組みが、「人材力」の育成であり、多様な人材を活かした経営を進めることが求められる。
21世紀における企業の人事管理の主目標は、「多様性をもった適応力の高い組織の形成」であり、これを実現する経営が課題となる。雇用・就業形態の多様化は、雇用機会の創出・拡大、人件費管理の効率化だけでなく、企業の存続・発展のため、創造性溢れる組織風土を実現していくためにも重要である。
企業は、多様な価値観や考え方をもつ個人が、安心して働き方を選択でき、働きに応じて処遇される仕組みをつくっていく必要がある。企業は自社の状況に応じた多様な働き方を検討し、従業員の活力を最大限に引き出す仕組みの構築や運営の最適化に取り組み、それが競争力の強化につながることを認識すべきである。そして従業員自身も、自らの意纂�蓿繙就�粮㏍芍��轣蛹≒鳫�笏蜿遐�竚癈鷭∂焜聨纃瘟赧漓�籬�㏍聽轣蛹就汲違傑宴奄卦掩恐⊂桿轣蛹Γ蔚飴頏阡繝�籟鹿畩していく姿勢が必要である。
人々の多様な就労ニーズに即し、適職をみつけられる情報提供機能を労働市場のなかで充実させ、労働者が自らの意思によって容易に転職することが可能となるような仕組みをつくり上げることが重要である。そのためには、労働市場に関する一層の規制改革も真剣に検討すべきである。一方、働く側も、長い職業生活のなかで、自ら職業能力・雇用されうる能力の向上に努め、働くことについての将来設計を自ら描く自助努力が求められる。
深刻化している若年者の雇用問題に対処するためには、家庭、学校、企業、本人が一体となって、教育から職業への円滑な移行、および職業への定着と職業能力の向上をはかる必要がある。学校では、基礎学力の向上をはかるとともに、釈�蓿繙就�粮㏍芍��轣蛹≒鳫�笏蜿遐�竚癈鷭∂焜聨纃瘟赧漓�籬�㏍聽轣蛹就延俄訓臆軌街贋街亀街祁街騎灸崖宜牡⊂桿轣蛹Γ蔚飴頏阡繝�籟鹿畩・発達段階に応じた職業観や勤労観を養う教育を積み重ね、実施する必要がある。企業では、まずは若年者に対する有意義な雇用機会を増やすとともに、受け入れ体制を整える必要がある。
高齢者については、働く意欲、能力、体力のある高齢者に、就労のほか、なんらかの形で社会参画の機会が確保されることが望まれる。企業では、従業員個々人の適性や希望をなるべく勘案・配慮した上で、雇用の場をつくる努力が求められる。
これからは、性別で仕事・役割を区別することなく、能力とやる気のある人材がいきいきと働くことのできる環境づくりが必要であり、とりわけ女性にとって、仕事と生活の調和を支援する仕組みの構築が十分な能力発揮の鍵となる。
外国人の受け入れについては、(1)質と量両面で十分な秩序ある受け入れ、(2)外国人の人権や尊厳を擁護された受け入れ、(3)受け入れ・送り出し側双方にメリットある受け入れ、を基本原則として、政府は一定の期限を定めて外国人の受け入れシステムの確立を早急に実施すべきである。
障害者雇用については、障害者ができるかぎり健常者と同様の生活を営める環境をつくるというノーマライゼーションの理念の実現に、企業がその社会的責任を果たすことが求められている。
これからの人事・賃金制度における中心的な課題は、中長期的な観点からの人材育成を視野に入れて、能力、成果、貢献の評価と処遇が整合する制度を、経営方針に沿って、最適の形で複線的に確立していくことである。賃金システムのあり方としては、(1)企業業績を反映した柔軟な人件費管理、(2)国際競争力を維持し得る賃金水準の適正化、(3)�$BG=NO!&@.2L!&9W8%EYH?1G$NDB6b%7%9%F%`$N3NN)!"(4)賃金管理の複線化、の4つの方向性が指摘できる。
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低下しているのではないかといわれる「現場力」(現場の人材力)を復活するためには、まずはトップ経営層が現場に対して深い関心と関与をもつという意志を示し、現場の人々が、より強い当事者意識をもって努力する仕組みをつくることである。
日本の企業の競争力を支えているのは現場の従業員であり、従業員の知的熟練の向上を支えるのは、マニュアル化が困難な、いわばアナログ的な能力、暗黙知である。こうした知的熟練を形成していく上でも、能力の開発、向上への取り組みと従業員の貢献に適切に報いる姿勢が必要となる。さらに個々人の現場力を企業としての競争力へと結びつけていくのが、いわば組織力であり、これは職場のリーダーや管理職の能力にかかっている。管理職の能力伸張は、現代の企業における最大の経営課題である。
仕纂�蓿繙就�粮㏍芍��轣蛹≒鳫�笏蜿遐�竚癈鷭∂焜聨纃瘟赧漓�籬�㏍聽轣蛹就箏甕羈更昂羚綉高⊂桿轣蛹Γ蔚飴頏阡繝�籟鹿畩が必ずしも労働時間に比例しない働き方が増大している現在では、規制緩和の方向での裁量労働制の大幅な見直しや、一定の限られた労働者以外のホワイトカラーを原則として労働時間規制の適用除外とする制度(ホワイトカラー・エグゼンプション制)の導入など、労働時間法制の抜本的改正が望まれる。また労働者派遣法については、派遣先への派遣労働者の雇用契約の申し込み義務規制の撤廃や派遣期間制限の期間延長、最低賃金制度については、産業別最低賃金制度の廃止が求められる。
法令遵守は使用者の当然の責務であるが、企業の労働条件は、基本的には労使間の交渉・協議により決められるべきである。しかし、最近の労働行政は、企業の労使自治や企業の国際競争力の強化を阻害しかねないような動きが、とりわけ労働時間をめぐる労働監督行政において顕著である。各企業における労働者の就業形態や職務内容などの実態に即した法律の解釈・適用がなされるべきである。
企業レベルの賃金決定については、企業の支払能力と総額人件費管理の視点によることが重要である。この意味で、定期昇給制度が、毎年誰もが自動的に昇給する制度として未検討のまま残っているとすれば、廃止を含めて抜本的な改革を急ぐべきである。激しい国際競争と先行き不透明な経営環境が見込まれるなかでは、国際的にトップレベルにある賃金水準のこれ以上の引き上げは困難である。もはや市場横断的な横並びの、いわゆる「ベースアップ(ベア)」要求をめぐる労使交渉はその役割を終え、個別企業においても、賃金管理の個別化が進むなかでは、一律的底上げという趣旨では、その機能する余地は乏しいといえる。今後、賃金の引き上げ・引き下げは「賃金改定」と称すべきと考える。
短期的な企業業声�蓿繙就�粮㏍芍��轣蛹≒鳫�笏蜿遐�竚癈鷭∂焜聨纃瘟赧漓�籬�㏍聽轣蛹就姐求俄慣換卸鰍患⊂桿轣蛹Γ蔚飴頏阡繝�籟鹿畩については、賞与・一時金への反映を協議する姿勢が望まれるが、これからの労使交渉においては、企業の競争力強化の観点から、中長期的に雇用、賃金、人事管理のあり方について幅広い角度からの話し合いが必要になる。
例年の春季労使交渉は、労使が定期的に情報共有・意見交換をはかる場として、大きな意義をもつと考える。そして今後の労使関係においては、賃金など労働条件一般について論議し、さらに労働条件以外の経済・経営などについても認識の共有化をはかることが重要である。したがって労使協議の役割が、労働組合の有無を問わず、一層重要性を増すといえる。「春闘」はすでに終焉しており、今後は、春季の労使討議の場として「春討」が継続・発展することに期待したい。
CSRは、単なる社会貢献のための寄付やイベントなどのスポンサーになることではなく、企業の利害関係者に対し一層の配慮をしながら経営を行なうことである。それは社会をより豊かにするように努めることであり、ひいては企業の生産性を高め、利益をあげることにつながる。
ひとたび不祥事を起こせば、それは企業そのものの存立を危うくし、経済界全体に対する信頼を大きく損なう。経営トップの姿勢こそが不祥事防止の根幹であり、企業活動を常時点検し、企業倫理を確立することは、経営トップの責務と考えなければならない。企業を取り巻く諸問題をいち早く感知して、機動的に問題点の解消や企業行動の修正を行なう「コーポレート・ガバナンス(企業統治)」の機能を常に維持・向上させていかなければならない。
地域経済は、好調な製造業の拠点のある地域以外は依然厳しいが、その本格的な回復の鍵を握っているのは、自らの創意工夫で富を創造することができる地元の中小企業である。中小企業も「攻めの経営」に転じることが求められる。
中小企業にとっての経営上の課題は、資金と人材である。資金については、民間金融機関による中小企業への金融機能強化の取り組みが進んでいるが、この流れを今後とも進めていくことが求められる。人材については、中小企業の技術開発と技術改善を担える人材、経営やマーケティングを担える人材など、企業にとって核となる分野において経営者の右腕となる人材の育成・確保の推進が必要である。
また中小企業自らが全国の大学や研究機関との協働を模索する積極性をもって産官学連携を促進すべきであり、そうした試みを支援するために地元の大学や研究機関のみならず、全国の技術情報がワンストップで得られるようなサービスが期待される。
すぐれた経営者は、企業活動を通じて社会に貢献すると同時に、自らの経営理念・ビジョンを掲げることによって、社会に対して企業のあるべき道を示さなければならない。現代に生きる経営者は、普遍的な価値観の伝承、時代に適応した新たな価値観の創造、信頼の獲得、そして企業活動を通じて社会の活力を向上させようとする「志」を、強力なリーダーシップのもとに実現していくことが望まれる。