[ 日本経団連 ] [ 意見書 ]

環境立国のための3つの取り組み

2004年1月13日
(社)日本経済団体連合会
会長  奥田 碩

昨年1月1日に発表した「活力と魅力溢れる日本をめざして」において、日本経団連は個人、企業、行政がともに「環境立国」戦略を進めることを提唱しました。「環境立国」実現のためには、環境と調和した新しい社会経済システムを構築し、環境を日本企業の強みにする必要があります。企業はすでに地球温暖化対策やリサイクル、化学物質管理などに自主的に取り組み、環境に配慮した事業活動を展開し大きな成果をあげております。

2004年の年頭にあたり、「環境立国」の実現に向け、企業の自主的取り組みをさらに推進するため、日本経団連ならびに会員企業・団体は以下の取り組みを強化すべきであると考えております。

第1に、日本経団連は、企業が環境を経営に必須の事業として取り込むために、地球温暖化ならびに廃棄物に関する環境自主行動計画を着実に推進・達成していきます。

第2に、企業が画期的な技術の開発に努め、環境にやさしい製品を積極的に市場に投入し、自然保護をはじめとするボランティア活動に取り組むなど環境改善に積極的に取り組み、国民生活の観点から地球環境保全をリードしていくよう、働きかけを強化していきます。

第3に、企業はこうした取り組みを積極的に情報発信し、広くステークホルダーに配慮して経営を進めなくてはなりません。コミュニケーション手法も多様化しており、いわゆる環境報告書、CSR(企業の社会的責任)報告書などは、市場、消費者、投資家と企業を結ぶ上で重要な役割を果たしております。すでに日本経団連の会員企業でも300社以上が環境報告書等を策定・公表しておりますが、日本経団連は3年倍増をめざして、さらに多くの企業が環境報告書やCSR報告書などの策定・公表に取り組むよう、会員企業・団体に呼びかけるとともに、その動きをフォローアップしていきたいと考えております。

また、環境経営の進め方や、その情報発信、コミュニケーション手法については、本来、企業の自主性、主体性が最大限に発揮されるべき分野であり、法制度のもとでの官(行政)の関与ではなく、民間の自主責任によって進められるべきものと考えております。

以上

日本語のトップページへ