調査対象 | … | 日本経済団体連合会および東京経営者協会法人会員企業 2095社 |
調査形式 | … | 無記名式アンケート(業種・従業員数のみ記入) |
実施時期 | … | 2003年11月(正式内定日以降) |
回答企業 | … | 699社(回答率33.4%) |
* 製造業47.2%、非製造業52.8% * 従業員規模1000人以上54.7%、1000人未満47.3% |
採用実施企業は前年度より6.4ポイント増の85.7%。このうち、採用人数を「増加した」企業が35.1%と、前年度(27.4%)に比べ7.7ポイント増加した。反対に、「減少した」企業は26.4%と、前年度(37.4%)に比べ11ポイント減少した。採用実績が好転してきたことについては、今回の調査対象企業に大規模企業が多いことが影響していると考えられる。
企業の採用意欲は増加傾向にあるが、採用予定数に対する充足率は前年度より低く、「100%」との回答が62.1%、「90%程度」が21.8%、あわせて83.9%(前年度95.9%)に留まっている。
採用活動の開始時期を早めた企業は27.6%と、前年度(37.9%)に比べ10ポイントほど減少した一方、採用活動の終了を早めた企業は15.3%(前年度24.1%)に留まり、早期化・長期化傾向が顕著となっている。
「説明会の複数回開催」(83.6%)、「オープンエントリー(公募制)」(70.9%)など、多くの企業で特徴ある採用形態・手法を導入、定着する傾向が見られ、多様な人材発掘を進める企業が拡大している。こうした企業の多くが、その実施効果を評価している。
職種別採用を実施している企業は、全体では38.7%。営業販売職や経理・財務職、SEのほか、研究・開発職などの技術系分野が多い。
選考プロセスを事前に開示している企業は73.7%(前年度比7.4ポイント増)で、実施企業の約半数(49.3%)がその効果を認めている。また、記述回答では、「学生へ安心感を与える」「企業イメージの向上」「熱意ある学生が応募」「選考スケジュールに関する問い合わせの減少」といった効果を挙げている。
インターネットでのみ応募(エントリー)を受け付けた企業は56.7%(前年度43.6%)に増加し、2003年度で初めて過半数を超え、郵送方式とインターネット受付を併用した企業(27.7%)をあわせると8割(84.4%)を上回った。また、インターネット利用企業の9割以上(90.9%)が、その効果を評価している。
企業情報・採用情報については、90.8%の企業が自社のホームページを媒体とし、80.4%の企業が就職情報会社等のサイトも利用している。企業側、学生側ともに、インターネットなしでは採用・就職活動は考えられない状況となっている。
企業が採用選考時に重視する要素の第1位は「コミュニケーション能力」(68.3%、前年度58.8%・第2位)、第2位は「チャレンジ精神」(58.0%、同61.4%・第1位)、第3位は「主体性」(45.7%、同49.4%・第3位)となっている。以下、「協調性」(41.5%)、「誠実性」(37.9%)、「責任感」(37.8%)、「ポテンシャル(潜在的可能性)」(32.2%)、「創造性」(28.2%)、「論理性」(24.5%)、「リーダーシップ」(18.0%)となっている。
選考試験の内容では、面接および筆記試験を実施した企業が最も多く81.1%にのぼっている。筆記試験の内容では、一般常識(66.7%)、小論文(32.8%)、外国語(28.7%)の順で多い。
また、採用内定学生に特徴がみられたとする企業は17.2%と、前年度と比べ4.3ポイント減少した。採用内定学生の特徴としては、「両極化」「画一化」「安定志向」を指摘した企業が多かったが、「就業意識の高さ」「旺盛なチャレンジ精神」「強い責任感」を高く評価する企業もあった。
倫理憲章に則った採用活動については、「公平・公正な採用の推進」(96.9%、前年度95.9%)、「情報公開の徹底」(89.9%、同86.4%)、「正常な学校教育と学習環境の確保」(84.5%、同83.8%)、「採用選考活動の早期開始の自粛」(67.4%、同68.9%)が実施できたと、自己評価している。
採用選考活動の早期開始を自粛した企業の割合は前年度と比べほぼ横ばいだが、「学生の申し出により選考日程を調整」(76.6%)、「説明会や採用選考を土日、祝日に開催」(22.1%)するなど、学事日程に配慮する姿勢が見られた。