日本経団連では物流の効率化を促進する観点から、予てより大型車両の車両総重量の緩和及び車高規制の緩和について積極的に取り組んできたところだが、当該規制緩和については、「規制改革推進3ヵ年計画(再改定)」(2003年3月28日閣議決定)において、2003年度中に検討・実施されることとなった。
しかしながら、行政当局(国交省道路局・自交局、警察庁)は、現状、違反車両が多く、大型車両の事故が後を絶たない実態を踏まえると、規制の見直しに当たっては、民間サイドにおける大型車両の通行に係る安全対策を確実に講じていくことが必要との認識であり、日本経団連に対して、主に荷主としての立場から、安全対策について特段の配慮をお願いしたいとの強い要請があった。
日本経団連としても、法令遵守の観点、及び規制改革を迅速に推進する観点から、上記要請に協力する必要があるものと認識し、企業行動憲章およびその精神に則り、「安全運送に関する荷主としての行動指針」を策定することとした。
また、会員企業・団体に自主的な取り組みを呼びかけることにより、違反車両や事故の減少につなげるとともに、物流の効率化が図られることを期待し、さらに、同指針については、その趣旨がより多くの荷主企業に理解されることが重要との認識から、その周知徹底を図るため、関係業界団体や他の経済団体の協力を得て広く産業界全般に浸透するよう努めることとした。
荷主企業・団体は、企業行動憲章およびその精神に則り、交通法規の遵守と安全運送の確保に努め、広く社会からの信頼が得られるよう行動するものとする。
法令を遵守し、運送事業者に対して、過積載や高さ制限違反等の法令違反となるような要求はしない。
運送事業者の選定にあたっては、ISO9001基準や安全性優良事業所認定制度などの客観的な基準を積極的に活用する。
法令違反を繰り返す運送事業者に対しては、取引の停止などを含め、毅然とした態度で臨む。
運送事業者との協力のもと、安全運送に関する定期的な協議・会合の実施、安全パンフレットの配布など安全運送の確保と啓蒙活動に努める。
その他、安全運送に必要な対策を講ずることに努める。