金融庁の要請を受けて、6月27日に東京証券取引所は、「四半期財務情報の開示に関するアクション・プログラム」を公表し、上場企業に対して上場規則で来年4月より四半期開示を強制することとしている。しかし、証券取引法によらない四半期報告の義務付けでは、準拠すべき会計基準や監査基準が定められず、比較可能性や保証水準の点から問題がある。
四半期報告の制度化は、年度及び半期の財務報告制度といった確立された制度との関連を踏まえ、発行企業と投資家、市場関係者が真剣に検討して決めるべきである。
そこで、当面は各企業の判断による自主的な開示とし、将来の証取法上の制度化を前提に、金融庁、企業会計基準委員会(ASBJ)等に対し、四半期財務報告のあり方や準拠すべき基準等についての検討を求めるものである。以下は、制度化にあたっての具体的検討課題についての意見である。
会計基準
決算を行うにあたっては準拠すべき会計基準が必要であり、取引所開設者の東証ではなく、会計基準設定主体のASBJでの検討を求める。
なお、米国で上場している企業等に年度及び半期の財務報告制度で容認しているのと同様に、四半期においても米国SEC基準に準拠した財務諸表を容認すべきである。
監査基準
公認会計士が関与しない財務情報の開示は不適当であり、関与に関する基準が必要である。日本公認会計士協会の指針ではなく、企業会計審議会第二部会の対応を求める。
企業の受入れ体制
次の問題への手当が必要である。
業績予想
四半期毎の業績予想について、発表を強制することには反対である。