[経団連] [意見書]

「上場等株券の発行者である会社が行う 上場等株券の売買等に関する内閣府令(仮称)」(案)に関する意見

2001年8月31日
(社)経済団体連合会

自己株式の売買に関して、株式市場の公正性・健全性を確保することが必要という本内閣府令案の趣旨には賛同する。ただし、各企業が経営の選択肢の一つとして機動的に組織再編を行うなど自己株式を活用していくうえで、企業活動を必要以上に制限することのないよう、取得ルールの明確化と適切な運用が不可欠であり、以下の点について要望したい。

【意見】
  1. ルールの位置付けが、いわゆるセーフハーバールールであることを明確化すべきである。
    本内閣府令案は、「取引所有価証券市場又は店頭売買有価証券市場における上場等株券の相場を操縦する行為を防止するため」(改正後の証取162条の2)に定めるルールとしては、159条で禁止される相場操縦とは別の新たな規制となる。従って、自己株式を取得しようとする企業が、内閣府令違反を警戒して過度に萎縮することがないよう、少なくとも内閣府令の形式要件を充足する取引であれば相場操縦には当たらないことを明確化し周知を図るべきである。
    また、形式的には内閣府令に抵触するような取引であっても、明らかに不公正取引の意思のない取引については、実質的な判断により過料(行政罰)の対象としないことを明確化し周知を図るべきである。

  2. 自己株式取得方法の多様化に対応するため、「証券取引所又は証券業協会が適当と認めるもの」については、随時、「取引の公正の観点から適当と認められる取引方法」として認められる規定とすべきである。
    今後、自己株式取得を行う会社が増大し、市場買付手法についても多様化することが予想される。内閣府令案は、「(5)取引の公正の観点から妥当と認められる取引方法」の要件について、すでに行われている事前公表型取引(ToSTNeT-2など)を前提とした記載がなされているが、これに限定することなく、「証券取引所又は証券業協会が適当と認めるもの」については、随時、自己株式取得方法として認められるような柔軟な規定とすべきである。

以 上

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