[経団連] [意見書] [ 目次 ]
今後のメディア制度の課題(中間報告) 参考資料

メディア制度に関するアンケート結果概要(未定稿)

2001年8月
経団連 産業本部
(回答数 65)

問1通信・放送の融合に対応した制度のあり方
1.通信・放送の融合型サービスへのコンテンツ規制(複数可)
(1) 新しいメディアについても、公序良俗の確保、社会的秩序の維持等の観点から、放送類似のコンテンツ規制を課すべき。 17
(2) 新しいメディアも、将来は、地上放送のような影響力の大きなメディアに発展する可能性があるため、予めコンテンツ規制すべき。
(3) 新しいメディアは、新産業・新事業育成の観点から、当初はコンテンツ規制を課さず、将来発展して社会的影響力が大きくなった時にコンテンツ規制を課せばよい。 22
(4) 地上放送のような国民生活に密着している基幹メディア以外については、憲法で保証されている表現の自由の観点から、コンテンツは、原則自由、民間の自主規制に委ねることとし、問題が生じた時に事後的にチェックするものとすべきである。 23
(5) 地上放送のように一般大衆を対象とせず、技術的に特定の者だけを対象とした情報伝送サービスについては、利用者の選択の自由という観点からコンテンツ規制を課すべきではなく、自主的規律に委ねるべきである。 13
(6) コンテンツのメディア毎の特徴が薄れてきており、基本的に地上放送類似のコンテンツ規制を課すべきである。
(7)その他
2.公正競争条件(複数可)
(1) 通信・放送両分野における相互参入により利用者の利便性を高めるので、原則として参入規制は不要である。 34
(2) 公正で有効な競争を確保する観点から、支配的事業者が、その市場支配力を濫用して他分野における競争を優位に進めることがないよう、市場支配力に着目したドミナント規制を導入すべきである。 29
(3) 通信のボトルネックをもつNTTにも、支配的事業者規制の導入という一定の条件のもとに相互参入を認めるべきである。 23
(4) 受信料制度で成立つNHKにも、一定のルールのもとにインターネット、通信でのコンテンツ配信事業を認めるべきである。 28
(5) NTTは、政府保有株がある限り、放送への参入を認めるべきではない。
(6) NHKは、受信料制度に基づく放送のための特殊法人であるので、通信への参入は認められない。
(7)その他
3.マスメディア集中排除原則
(1) マスメディア集中排除原則について、メディアの多様化によりその必要性は薄れており、むしろ、新メディア発展の観点から緩和して、メディアのノウハウ、番組供給能力の高い事業者を活用する必要がある。 45
(2) 既に大きな社会的影響力を有する地上放送事業者が、他の放送メディアに対しても寡占状態となることは、避けるべきであり、新規メディアに対して、地上放送事業者へマスメディア集中排除原則を適用することが良い。 17
(3)その他
問2地上放送事業者に関する規制のあり方
1.マスメディア集中排除原則
(1) 集中排除原則が経営判断に基づく選択の幅を狭め、経営資源活用が困難となっており、メディアが多様化し言論集中の懸念が薄れている現在、マスメディア集中排除原則は緩和が必要。 43
(2) 放送は国民の目・耳であり、メディアを経済的支配力に任せて、特定事業者に集中させるのは、国民の知る権利を奪うことととなり、避けるべき。 20
(3)その他
マスメディア集中排除原則の緩和とともに、放送事業者と新聞社との100%資本関係を断ち切ることとすべき。
2.地域免許制度
(1) 県単位の地域免許制度は、放送ネットワークの効率的構築・運用、制作力向上、コスト削減等のために、撤廃あるいは、事業者間、あるいは近隣地域の放送局との連携、統廃合が柔軟に行えるようにすべきである。 56
(2) 豊富な情報を持つローカル放送局の独立性は保持する必要があり、県が地方行政単位である現在、県単位の免許が妥当である。
(3)その他
3.ハード・ソフト一致原則
(1) 今後、コンテンツ事業者がチャンネルと時間を借りて、放送するなど、多様な放送・メディアや情報伝送形態が登場することが想定されており、コンテンツ・情報伝送双方に活力ある競争を促進するため、多メディア時代では、ハード・ソフト一致とするかどうかは事業者の選択に任せ、制度的には自由にすべきである。 57
(2) 基幹放送を安定に維持するためには、伝送路の確保が必要で、ハード・ソフト双方に責任をもって運営する事業主体が存在することが、国民へのサービスの継続性などの面からみて望ましく、ソフト・ハードの分離はすべきでない。
(3)その他
4.あまねく受信できるように努力する義務
(1) 国家の方針である放送のデジタル化を膨大な投資をして推進するに伴い、民間事業者にあまねく受信努力義務を課すことは困難になることから、あまねく受信できるように努力する義務は撤廃し、経営努力を超える地域へのサービスについては、新たな公共政策が必要。 27
(2) 基幹的メディアと位置付けられる以上は、あまねく受信できるようにすることは、事業の宿命・使命である。公共財である電波を占有して事業を行なう以上、放送事業者が理念として、努力義務を負うことはやむをえない。 34
(3)その他
全国をカバーできるBSデジタル放送を含めて、あまねく受信できる環境の整備を検討すべきである。
問3公共放送のあり方
1.NHKの他メディアへの進出に関する基本的考え方(複数可)
(1) NHKは、「あまねく」放送について、従来の「全ての地域」だけでなく、最近は、多様なメディアへの進出を求めているが、民間の競争による新市場の創出を阻害し問題である。
(2) NHKは、チャンネル、メディアの拡大ではなく既存チャネルにおける積極的な機能の充実、地上波デジタル化の推進を図るべきである。 13
(3) NHKは、既に地上放送2チャンネル、衛星放送3チャンネルを保有し放送番組の売り場面積が大きく、番組獲得競争において圧倒的に有利に立っているため、これ以上の、民業圧迫につながる他メディアへの進出は好ましくない。 12
(4) NHKの保有するメディアとしては、基幹放送である地上放送の他、これに準ずるBS放送が妥当であり、その他のメディアについては、あまねく受信可能とする必然性が少ないこと、情報に対する対価を求める事業構造を取ることが多いので、NHKの受信料との競合関係が顕著となる等、NHKの参入には、制限を設けることが望ましい。 10
(5) 原則基幹放送である地上波のみとすべき。衛星放送は地上系を補完するメディアとして1チャンネル保有すればよく、それ以上は過大である。
(6) NHKは国民生活の基本情報、災害情報を含む生命・財産の安全に係る情報をあまねく提供する使命を持っており、メディアの多様化に対応し、国民が利用可能なメディアでの情報提供を行う必要がある。 30
(7) NHKは、公共の福祉のために公平に徴収し、公正に使用する受信料制度を前提に、その趣旨に合った番組制作・放映することが全ての基本となっており、その範囲内であれば、他メディアに進出しても構わない。 32
(8) 利用者利便の向上から、NHKにも公正競争条件を前提に、より一層のメディア多様化を認めるべきである。 31
(9) NHKが現在保有するチャンネル数の範囲内でスクラップ/アンドビルドを行うのであれば、他メディアへの進出は問題ない。
(10)その他
2.BSデジタル放送受信料制度(複数可)
(1) 視聴するか否かといった意思に関係なく、受信することが可能な受信機を設置した者に契約締結を義務付ける受信料制度では、今後、テレビ受像機だけでなく他の端末からも受信料を徴収することになるので、見直しが必要。 24
(2) 技術進歩の結果、無線による放送でも受信の意思あるものを選んで、サービスを提供することが可能であり、希望者が受信契約を結び、受信料を支払う仕組みをとるべきである。 25
(3) 受信料制度とは、公共放送を維持するために、実際に視聴しているか否かを問わず、受信機を保有している者が納める制度であり、強制的な徴収、広告収入、有料放送は原則に反する。
(4) 公共放送として、安定的に、公平でバランスの取れた番組をあまねく視聴可能とすることで、国民全体の文化発展に寄与する趣旨から、商業論理からも政治論理からも独立した事業を営むためには受信料制度は妥当である。 24
(5) NHKBSデジタル放送が、民間では提供できない番組に特化するのであれば、受信料制度を継続しても構わない。
(6)その他
3.NHK BSデジタル放送のスクランブル化(複数可)
(1) 受信料を支払わない人にはサービスを提供しないのは当然であり、受信料を納入する者だけが視聴できるようにするため、スクランブル化を実施すべきである。 21
(2) スクランブル化をすべきであるが、当初はNHKに先導的役割が期待されるので、ある程度BSデジタル放送が普及した後に実施するのが妥当である。 13
(3) 契約者だけが見るという有料化は、NHKの公共放送としての存在意義と相容れず、放送秩序にも混乱を引き起こすとともに、スクランブル化は一層の情報格差を拡大するため、認められない。 27
(4)その他


以  上

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