[経団連] [意見書]
平成13年2月28日

企業会計基準の整備において主体的な役割を担う
財団法人の設立準備について

経済団体連合会
日本公認会計士協会
全国証券取引所協議会
日本証券業協会
全国銀行協会
生命保険協会
日本損害保険協会
日本商工会議所
日本証券アナリスト協会
企業財務制度研究会
(順不同)

財団法人 財務会計基準機構(仮称)の会員募集について


  1.  この度、経済団体連合会、日本公認会計士協会、全国証券取引所協議会、日本証券業協会、全国銀行協会、生命保険協会、日本損害保険協会、日本商工会議所、日本証券アナリスト協会及び企業財務制度研究会の10団体は、民間機関が企業会計基準の整備において主体的な役割を担うことを目的とした「企業会計基準委員会(仮称)」を早期に発足させることに合意し、その運営母体として「財団法人 財務会計基準機構(仮称)」(以下、「本財団」という。)の設立準備に入ることとした。

  2.  経済の重要なインフラである会計基準の策定については、昨今の経済取引・企業活動の高度化、複雑多様化、国際化等の急速な変化に対し的確に対応することができるよう、その機能を強化することが求められている。
     また、国際会計基準委員会(IASC)の組織改革を踏まえ、改組後のIASCとの適切な連携を保つとともに、国際的な会計基準に関する動向に迅速・効率的に対応することができ、かつ、わが国が会計基準の開発に貢献しつつ、議論を主体的にリードすることができる体制を整えることなどが求められている。
     このような観点を踏まえ、本財団は、現行の枠組みからの円滑・段階的な移行を前提としつつ、官民の適切な役割分担の下で人材や資源を結集し、民間機関として、実務におけるニーズ等を迅速・的確に吸い上げた企業会計基準案・実務指針等の作成、企業会計基準及びディスクロージャー制度に関する調査研究、国際会計基準委員会等との連携、国際的な会計基準の設定に対するわが国の考え方等の積極的発信などを目指すものである。
     本財団はこれらの事業を通して、わが国の会計基準及びディスクロージャーに対する内外の投資家等の信頼を高めるとともに、資本市場の健全性の確保と企業の発展に寄与したいと考えている。

  3.  新たな組織・体制は、基準作りにおける主体的な役割が担える充実した組織であるとともに、各方面からの独立性が確保されている必要がある。
     具体的には、本財団の資金調達、人事、運営全般等の審議を行う理事会と理事・監事の選任、事業計画・予算の同意等を行う評議員会を設置し、それらとは別に独立した機関として企業会計基準案・実務指針等に関する審議を行う企業会計基準委員会(仮称)を設けるとともに、テーマ選定等に関する審議を行うテーマ検討審議会(仮称)を設けることが適当と考えられる。
     これらに携わる人材の確保にあたっては、経済界、会計士界、学界をはじめとする関係各界から幅広く求めることとし、特に、人事の公正性・透明性のほか、特定の利害関係者からの独立性を確保することが必要である。

  4.  本財団の財政については、民間機関としての充実した組織・体制を維持するため、相当規模の資金が必要になると考えられるが、運営資金の調達については、独立性及び安定性を確保する観点から、できるだけ幅広く関係各界から協力を求める必要がある。
     具体的には、本財団に会員制度(法人、個人)を設け、公開会社等に対し幅広く会員募集を行い、これらの会員が納める会費をもって運営資金に充てるほか、関係各界から相応の協力を求める予定である。

  5.  以上の趣旨を踏まえ、委員会及び本財団を早期に設立することを目指し、組織及び資金調達等の具体的検討、設立準備手続等を行うため、設立準備委員会を設けることとした。

以 上

<別 紙>

設立準備委員会

委員長 八木 良樹経済団体連合会経済法規委員会企業会計部会長
委 員 中村 芳夫経済団体連合会常務理事
奥山 章雄日本公認会計士協会副会長
金原策太郎東京証券取引所常務理事
山元 高士日本証券業協会政策委員会副委員長
奥  正之全国銀行協会企画委員長
石橋 三洋生命保険協会一般委員長
水谷 圭甫日本損害保険協会一般委員長
篠原  徹日本商工会議所常務理事
天野 俊彦日本証券アナリスト協会常務理事
中島 公明企業財務制度研究会専務理事
(順不同)

日本語のホームページへ