経団連は、1991年に地球サミットに先駆けて、「経団連地球環境憲章」を策定し、「環境問題への取組みが企業の存在と活動に必須の要件である」との認識を基本理念として掲げ、環境保全にむけて自主的かつ積極的に取組みを進めていくことを宣言した。
96年には、地球環境憲章の理念を具体的な行動に結びつけるため、「経団連環境アピール」を発表し、温暖化対策については、産業界として実効ある取組みを進めるべく、自主行動計画を策定することを宣言した。
これを受けて、翌97年に、「経団連環境自主行動計画」を策定したが、現在43業種が参加し、主に温暖化問題、廃棄物問題に積極的に取組んでいる。温暖化対策については、「2010年度に産業部門及びエネルギー転換部門からのCO2排出量を1990年度レベル以下に抑制するよう努力する」という統一目標を掲げ、産業部門及びエネルギー転換部門34業種が目標達成に取組んでいる。我が国産業界は欧米諸国に比して既に極めて高いエネルギー効率を達成しており、また、20年間の経済の拡大を考えれば、この目標は非常に厳しく意欲的なものと言える。実際、対策を実施しない場合の2010年度の排出量は、90年度比約10%増加することが見込まれる。
温暖化のような長期的かつ地球規模で生じる環境問題は、その原因があらゆる事業活動や我々の日常生活の隅々にまで関係していることから、一律に活動等を制限することができず、従来の規制という手法では十分な対処が難しいという性格を持つ。70年代の公害対策等で効果をあげてきた従来型の規制的措置に代って、地球規模での問題について対策効果が期待されるのが自主的取組みである。自主的取組みは、自らの業をもっとも良く知る事業者が、技術動向や他の経営判断などを総合的に勘案して、費用対効果の高い対策を自ら立案しこれを実施することができる点で有効である。さらに、経団連では、毎年、自主行動計画の進捗状況をフォローアップし、その結果を、インターネット等を通じて、広く一般に公表している。つまり、経団連自主行動計画は、
経団連としては、今後とも、参加業種に対して、個々の目標達成に向けた対策の着実な実施を求めるとともに、「2010年度に産業部門およびエネルギー転換部門からのCO2排出量を1990年度レベル以下に抑制するよう努力する」という全体としての統一目標の達成に、全力をあげて努力していく。また、参加業種の拡大、CO2排出量増減に係る要因分析の実施など、自主行動計画のより一層の内容改善に努めていく。
経団連では、97年に経団連環境自主行動計画を策定するにあたって、廃棄物対策も一つの柱とし、業種毎に目標を定め、自主的に対策の推進を図ってきた。さらに自主的取組みを強化すべく、1999年、「産業界として2010年度における産業廃棄物最終処分量の目標量を1500万トン(1990年度比25%)とする」という産業界全体としての統一目標を掲げた。目標の達成に向け、毎年、その進捗状況をフォローアップしていくこととしている。