[経団連] [意見書] [ 目次 ]

『快適な居住環境の実現に向けて』の概要

−平成13年度住宅関係税制改正要望−

2000年9月13日
(社)経済団体連合会

【住宅取得に対する政策支援の継続・拡充の必要性】

  1. 景気対策としての効果
  2. 住宅建設が経済全般に対して大きな波及効果を有することに鑑み、住宅税制の継続・拡充を図り、民需・内需主導の本格的な経済回復を目指すべき。

  3. 社会インフラとしての優良な住宅ストック形成の必要性
  4. 良質な住環境の整備は、個々人のゆとりある生活の実現や家族の絆の強化等を通じ、わが国社会の安定化に繋がる。優良な住宅ストックを社会インフラの一つと捉え、各人の自助努力を前提とした誘導型政策支援を推進すべき。

【具体的な税制要望】

  1. 住宅取得に係る選択可能な所得税軽減制度の創設
    1. 現行の住宅ローン控除制度に匹敵する、新たな所得税軽減制度を導入すべき。本制度は、効果的に住宅建設を促進するとともに質の向上を図る観点から、個々人のライフステージに対応した、柔軟かつ選択可能な仕組みとし、計画的に住宅を取得できる安定的な制度にすべき。

      1. 15年間にわたり住宅ローン残高の0.75%を税額控除
      2. 一定の床面積以上の住宅取得については、1. のほか、当初3年間は住宅ローン残高の1.5%、その後7年間は同1.0%の税額控除の方式を選択可能。

    2. なお、本来的には、住宅及びその敷地の取得に係る借入金利子を所得控除する制度を創設することが望ましく、今後の所得税制の抜本改革に併せて、その導入を図るべき。

  2. 住宅取得資金に係る贈与税特例の拡充・継続
  3. 住宅取得のための自己資金の拡充を図り、ローン負担を軽減する観点から、現行の住宅取得資金に係る贈与税特例について、適用期限を延長すべき。
    また、非課税限度額の引き上げや特例計算限度額の引き上げ、二次取得者への適用や増改築への適用、所得要件の緩和など、特例の拡充を図るべき。

  4. 居住用財産の譲渡損失の繰越控除制度の延長
  5. 特定の居住用財産の買換え特例の延長・拡充
  6. 住宅等に係る流通税(登録免許税、不動産取得税、印紙税)の特例に係る適用期限の延長等
  7. なお、消費税の見直しが検討される場合には、住宅取得に係る消費税の軽減についても十分配慮すべき。

以 上

◆住宅取得に係る選択可能な所得税軽減制度の創設

◇現行の住宅ローン控除制度の概要等

1999年度 創設(1999年1月1日〜2000年12月31日入居)
2000年度 適用期限の延長(2001年1月1日〜2001年6月30日入居)
住宅を新築(増改築等を含む)又は取得し、6ヶ月以内に自己居住用に供した場合、
15年間、住宅ローンの年末残高から計算した額を所得税額から控除。
控除額は、住宅ローンの年末残高5,000万円以下の部分に対し、控除率を掛けた額。

現行の住宅ローン控除制度の概要

  • 対象ローン残高限度額:5,000万円(対象ローン金額に上限なし)
  • 所得要件:3,000万円以下
  • 床面積要件:50m2以上
  • 控除対象となるローンの範囲:自己居住用住宅・敷地取得、増改築
  • 譲渡損失の繰越控除と併用可
↓
このままでは、2001年7月入居分から、最大控除額が587.5万円から150万円に激減
2002年1月入居分から、税額控除の適用なし
↓

◇選択式住宅取得減税制度の創設(住宅ローン控除制度の改組)

*控除率等について、次の(1)(2)の選択制とする。

(1) 15年間、住宅ローン残高の0.75%を税額から控除。 <床面積要件50m2以上>
選択式住宅取得減税制度(1)

(2) 当初3年間は住宅ローン残高の1.5%を、その後7年間は同1%を税額から控除。
 <一定の床面積以上に適用>
選択式住宅取得減税制度(2)

  • 控除対象となるローンの範囲:自己居住用住宅・敷地取得、増改築、セカンドハウス取得
  • 一度転出した後、再居住した場合に再適用を認める
  • 特定の居住用財産の譲渡損失の繰越控除、特定の居住用財産の買換えの特例との併用を認める

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