わが国経済は、数次にわたる需要刺激策に支えられ、長く続いた低迷期をようやく脱して、民需主導の自律回復軌道に復帰しつつある。しかし、世界的な企業競争の激化、急速な少子・高齢化の進行など経済環境・社会構造が大きく変化する中で、税・社会保障など将来的な国民負担の増大圧力を中心に、国民・企業の将来に対する不安や不透明感は払拭されておらず、景気回復の動きを中長期首鞜�竚癈鷭∂焜聨纃瘟赧漓�籬�㏍聽轣蛹就碍嘘傾扱卦軍灸祁厩軍医芦扱訓⊂桿轣蛹Γ蔚飴頏阡繝�籟鹿齔瘤昌に乗せていくための経済・社会の活力に乏しい。
21世紀に入ろうとする今こそ、全ての国民・企業が未来に希望を持ち、豊かさを実現できる社会を創造するために、経済・社会の活性化に向けた長期ビジョンを描き、その実現に向けて行動を起こすべき時にある。特に、国家運営の要である財政の中核をなす税制、社会保障制度は、国民の負担と活力を大きく左右する重要な制度であり、これらを一体的に捉え、国・地方を通じて抜本的に改革を行なうことが、極めて重要な課題となっている。
われわれは、かねてより長期展望に立って、税制改革、社会保障制度改革、行財政改革のあり方を提言してきたが、来るべき今世紀最後の総選挙に向けた政策論議の動きに鑑み、改めて、税制改革を中心に、それらのあるべき姿と課題について一つのパッケージとして考え方を明らかにする。
これらの抜本的改革が、政治の決断と主導によって強力に推進されることを強く期待する。
わが国は、現在、すでに、大幅な政府債務残高を抱えており、今後の急速な高齢化の進行の中で財政や社会保障制度の破綻を回避していくためには、給付・歳出や負担・歳入の構造と水準の見直しを避けて通ることはできない。
その際、給付や歳出をできる限り抑制して負担増を最小限のものにするのか、あるいは、給付や歳出を今のままとして負担を大幅に増やすのか、という「給付と負担の組み合わせの選択」や、直接税、間接税、社会保険料をどのように組み合わせるべきかという「負担方法の選択」について、適切な判断と方向づけを早急に行なう必要がある。
財政の健全化や社会保障制度の維持は、一定の経瑳齔瘤�竚癈鷭∂焜聨纃瘟赧漓�籬�㏍聽轣蛹就騎芦嘘隙鰻近⊂桿轣蛹Γ蔚飴頏阡繝�籟鹿齔瘤召�△辰峠蕕瓩堂椎修箸覆襦5詆佞篋仆个魄飮�靴討癲�蘆瓦��腓垢譴弌�从儚萠呂�祺爾掘�从首鞜�竚癈鷭∂焜聨纃瘟赧漓�籬�㏍聽轣蛹就九恰峨完過儀⊂桿轣蛹Γ蔚飴頏阡繝�籟鹿齔瘤召�濂修靴董�駝碓貎妖�燭蠅僚蠧誠綵爐呂�┐辰督磴�覆襦�8紊旅駝栄蘆瓦里△衒�鮃佑┐訃紊如△海侶从儚萠呂琉飮�箸いε世鮑任盻斗廚併訶世箸靴動銘屬鼎韻詆�廚�△襦�
この視点から、以下に述べる財政構造改革、直間比率の是正を柱とする歳入構造改革、社会保障制度改革を推進することが非常に重要である。これらによって、国民の可処分所得や企業の手許資金が増加し、消費、設備投資の拡大や技術進歩の促進を通じて、経瑳齔瘤�竚癈鷭∂焜聨纃瘟赧漓�籬�㏍聽轣蛹就矣繖聶慌羝元⊂桿轣蛹Γ蔚飴頏阡繝�籟鹿齔瘤召�,珪紊欧蕕譟�羇鍰�砲蓮∪派蘆瓦伴匆駟欷盈蘇蘆瓦鮃腓錣擦森駝栄蘆肝┐�50%以下に抑制しながら、安定的な経済成長を確保することが可能となる、と考察している。
バブル崩壊後の景気低迷による税収の大幅な減少に加え、累次の景気対策が講じられてきたこともあり、わが国の財政赤字は未曾有の規模に拡大している。地方公共団体においても、財政収支の悪化は著しく、地方交付税制度を通じて国の財政にも深刻な影響を及ぼしており、国と地方の長期債務残高合計は、2000年度末で645兆円、対GDP比129.3%となっており、国ならびに地方の財政は危機的状況にあるといえる。
一連の財政出動は、厳しい経済情勢を踏まえた適切な措置であるが、このまま財政構造改革を行なわずに、今の給付・歳出と負担・歳入の構造を長期的に維持し続けることには無理がある。
こうした状況を改善し、国・地方の財政基盤を健全なものとするには、まずもって、国・地方を通じた徹底した歳出削減、規制撤廃・緩和等による国・地方の行政事務総量の削減等を通じて、効率的で小さな政府を実現することが大切である。一方では、安定的な歳入の確保を可能とする財政的枠組みの構築が必要である。
特に、国と地方公共団体の歳出の比率は2対3であるのに対し、税収は3対2であり、国から地方へ、地方交付税交付金等として財政配分が行なわれており、これが、地方公共団体における受益と負担の対応関係を不明確にし、地方の歳出の構造的な膨張を招いている。また、地方公共団体が細分化されているため、歳出について規模の経済性が図れず、効率化・合理化が進まないだけでなく、歳入も不安定となっている。今後は、国と地方との事務区分に対応した国と地方との経費負担の区分を確立し、自治体を大括化して適正規模に再編した上で、地方の行なうべき自治事務の税源は、個人住民税、居住用資産に係る固定資産税を基本とし、個人住民税については、国と地方を通じた財政構造改革の中で、充実を検討する必要がある。
わが国は、高齢化が同じ程度であるヨーロッパ諸国と比べて、所得課税・社会保険料など直接的な負担のウェイトが大きい。そして、直接的な負担に偏っている結果、働く世代と高齢者の間で、負担のアンバランスが発生している。
わが国の財政を将来にわたって健全なものとし、増加する社会保障費を賄うためとはいえ、経済がボーダーレス化し、企業や個人が国を選ぶ時代の中では、今の仕組みをそのままにして、こうした直接的な負担を引上げれば、設備投資・研究開発投資の減少や企業の海外移転が進み、個人貯蓄の減少や勤労意欲の低下、ひいては優秀な人材の国外流出や少子化の加速を招くこととなる。また、世代間の負担のアンバランスに伴う不公平感は、一層拡大する。その結果、経瑳齔瘤�竚癈鷭∂焜聨纃瘟赧漓�籬�㏍聽轣蛹就甍羆絨後經更⊂桿轣蛹Γ蔚飴頏阡繝�籟鹿齔瘤召脇濂修掘�覿箸筝朕佑亮���④喃困狠罎如�蘆幹兇呂泙垢泙更發泙襪箸箸發法�柩僂砲泙念⑰洞舛鰺燭┐襦△箸い辰唇Ⅸ朶弔鮠靴��修譴�△襦�
したがって、負担の形態としては、経済や社会の活力の維持・向上という観点から、個人についても企業についても、所得課税や社会保険料などの直接的な負担の増加を回避するとともに、できるだけ国民が薄く広く負担する消費課税で賄っていくことが望ましい。高齢化に伴うナショナル・ミニマムの観点からの社会保障支出の増加等は、消費税におけるインボイス方式や複数税率、内税化などの制度整備、さらには個別間接税の整理を図りつつ、直間比率の是正によって賄うのが基本方向と考える。
世界に例を見ない急速な少子・高齢化の進行に対応するため、現行の社会保障制度を持続可能なものに改革することが急務となっている。改革に当たっては、国民負担率の抑制に加えて、制度の目的に照らした財源方式の適正化や民間活力の最大限の活用といった観点から、制度を総合的に見直す必要がある。
公的年金については、基礎年金部分と報酬比例部分の位置付けを明確に分け、それぞれの目的に沿って所要の見直しを行なうべきである。基礎年金部分については「高齢者の必要最低限の生活保障」を目的とし、財源を現状の社会保険料中心から税中心に移行し国民全体で広く支える観点から、消費課税により賄うことが望ましい。報酬比例部分については、「サラリーマンの現役時代の一定割合を確保すること」を目的とし、給付水準を適正化した上で、現行の事実上の賦課方式から積立方式に移行し、最終的には自助努力に委ねていく必要がある。
また、企業年金については、制度の選択肢や自由度を拡充し、労使協調のもとで、早急に自助努力に委ねていくべきである。そのためには、労使合意の下に自由な制度設計や運用を可能にするとともに、企業や個人の自助努力を支援し、かつ個々の選択に中立的な年金税制の確立が必要である。具体的には、確定拠出年金法案の早期成立、厚生年金基金の代行部分の返上、厚生年金基金から税制適格年金への移行の際の非課税措置、ハイブリッド・プランの導入、受給時課税の徹底、特別法人税の撤廃等が求められる。
(1) 連結納税制度の早期導入
(2) 会社分割法制の導入に伴う関連税制整備
(1) 国際的整合性をめざした法人税の改正
(2) 国際租税の見直し
(1) 国と地方の事務区分見直しに応じた税源の再配分
(2) 地方法人課税の簡素化=法人事業税を廃止し法人住民税へ一本化
(1) 所得税・住民税減税の制度化
(2) 経済活性化のための所得税改正
(1) 確定拠出年金法案の早期成立
(2) 特別法人税の撤廃
(3) 企業年金制度の規制改革に伴う税制措置
(1) 配当に対する二重課税の排除
(2) 有価証券譲渡益課税の見直し
(3) 非居住者保有債券の源泉徴収免除の拡充