経団連の経済政策委員会企画部会(村岡富美雄部会長)と財政制度委員会企画部会(森田敏夫部会長)は5日、東京・大手町の経団連会館で合同部会を開催し、バークレイズ・キャピタル証券の土屋剛俊、森田長太郎両ディレクターから、「日本のソブリンリスク」をテーマに説明を聞いた。概要は次のとおり。
日本の財政破綻をめぐっては、悲観論、楽観論、どちらも聞かれ、それぞれ一理ある感じがする。しかし、いずれの議論も、企業の破綻と国の破綻の違いという重要な視点を欠いている。企業の破綻は、約束した借金の返済が期日までになされない場合に起こるが、国の場合は、こうした破綻は狭義の破綻にすぎない。融資条件の違反でなくとも、ハイパー・インフレや預金封鎖、大増税といった金銭的損失が発生するケースも、広義の破綻としてとらえられる。
ここで重要なのが、国の破綻の場合、そのパターンによって、負担を負わされる人が大きく異なるという点である。例えば将来、大増税が行われるパターンの場合、国債を保有しているかどうかにかかわらず、将来世代の国民が負担を迫られることになる。
市場では、国債暴落論を支持するコンセンサスがあるようだが、現在まで国債の金利は安定的に推移してきた事実がある。その根本的な原因は、貯蓄超過だ。ゼロ金利下の日本では「流動性の罠」に陥っているため、経済理論で想定する金利変動による貯蓄・投資バランスの調整機能は働かず、恒常的に貯蓄超過が生じている。これが国債を吸収し、低金利をもたらしている。
最近の民間部門の貯蓄増加は、企業部門に起因する二つの原因がある。一つは、高齢化がもたらす長期的な期釈�蓿繙就�粮㏍芍��轣蛹≒鳫�笏蜿遐�竚癈鷭∂焜聨纃瘟赧漓�籬�㏍聽轣蛹就粐号弦剛羈更經抗⊂桿轣蛹Γ蔚飴頏阡繝�籟鹿畩┐猟祺爾鳳茲辰董�蟷颪鰺淦�靴討い襪海函△發Π譴弔蓮⊃袈醜颪砲�韻訐源困魍搬腓靴導こ阿琉造は��灰好箸鰺�僂垢襪海箸如�恐畆�廚魍容世掘⊆擽發鯤嶌僂靴特兊瀋恐瓩鮴犬犬気擦討い襪海箸任△襦�
こうした貯蓄超過の状態を解消するには、高齢化がピークアウトし、新興国との賃金格差が縮小するなど、相当の時間を要する。国債暴落までのパスは、さらにインフレ基調への転換、政府対応の遅れなどいくつかの段階を踏むものと考えられる。
ただし、家計や企業の過剰貯蓄を引き受けている銀行部門において、国債保有に伴う金利リスクが増加し続けており、今後、暴落とまでいかないまでも、ある程度の規模のショックが生じる可能性はある。
国債の暴落は当分起きないと考えているが、財政再建は不要ではない。単純な財政収支均衡ではなく、世代間の不公平解消を財政再建の目的として掲げるべきである。それによって現役世代、若年層の将来不安からくる過剰貯蓄を抑制し、消費の増大、デフレ脱却につなげることができる。
なお、日銀の国債直接引き受けなど、財政ファイナンスを支持する議論があるが、ほぼ間違いなくハイパー・インフレに帰結する。政府や日銀は決して判断を誤ってはいけない。