提言「災害に強い社会の構築に向けて」は中川大臣に直接手交された (左から川合共同委員長、橋本委員長、中川大臣、木村共同委員長) |
経団連の防災に関する委員会(橋本孝之委員長)、国民生活委員会(川合正矩共同委員長、木村惠司共同委員長)は5日、東京・大手町の経団連会館で、中川正春内閣府特命担当大臣(防災)を招き、合同で委員会を開催した。冒頭、橋本委員長から、このほど両委員会が取りまとめた提言「災害に強い経済社会の構築に向けて」(http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2012/013.html)を紹介した後、3委員長から中川大臣に提言を手交。災害対策法制の見直しや災害発生時の事業継続の障害となる規制の緩和、また、帰宅困難者対策等における官民連携推進などを要望した。
引き続き中川大臣が、政府における防災対策の方向性と課題について講演。とりわけ、東海・東南海・南海の3連動地震と首都直下地震にかかる検討状況について、「当初予定を前倒しで検討を進めており、来年の夏から秋にかけて対策を取りまとめたい。当面、今月中に3連動地震における震度分布と津波高、首都直下地震における中枢機能確保と帰宅困難者対策について報告を行う」との発言があった。
意見交換では、川合委員長から、広域大規模災害にかかる自治体間の連携を促す仕組みの構築、また、木村委員長から、企業の自助の取り組みを促すためのインセンティブ措置の創設などを要望。これを受けて中川大臣は、「東日本大震災を通じて、広域的な対応の重要性を痛感した。今後、対策の大綱を取りまとめるにあたっては、国、自治体、企業等の役割だけでなく、横の連携を促す観点も盛り込みたい」「自助、共助、公助について、まずは企業にどのような役割を担ってほしいのかを明確に示したい。そのうえで、法令や予算等の面から、民間の取り組みが促進されるような誘導策を設けていく」と応じた。
その後、委員会では内閣府の越智繁雄参事官から、大規模地震対策と帰宅困難者対策にかかる現在の検討状況について説明を受けた。
両委員会では、引き続き、災害時の事業継続の障害となる規制の緩和、ならびに、帰宅困難者対策の取りまとめに際しての経済界の意見の反映など、提言の実現に向けた取り組みを進めていく。