経団連タイムス No.3072 (2012年2月2日)

2011年6月度「定期賃金調査結果」を発表

−1953年から毎年実施


経団連は1月20日、2011年6月度の定期賃金調査結果を発表した。この調査は、従業員の賃金の実態と動向を把握し、今後の賃金対策の参考とするために、1953年から毎年実施しているもの。今回は経団連の企業会員および東京経営者協会の会員企業1921社を対象に調査を行い、397社から回答を得た(製造業55.2%、非製造業44.8%)。同調査結果の概要は次のとおり。

製造業の平均賃金、所定内外とも減少

1.標準者賃金

管理・事務・技術労働者(総合職)の標準者賃金を主な年齢ポイントでみると、大学卒では22歳・21万23円、35歳・38万3947円、45歳・53万7483円、55歳・61万8834円、高校卒では18歳・16万5521円、22歳・19万1143円、35歳・32万8130円、45歳・42万6941円、55歳・48万5321円となっている。

年齢の上昇に伴い、賃金額も総じて上昇しているが、役職定年制の影響などにより、55歳から60歳にかけて賃金額が減少しているところもあり、管理・事務・技術労働者の総合職、一般職ともに大学卒の減少額が大きくなっている。

2.製造業、非製造業別平均賃金額

製造業では、2010年と比べると所定労働時間内賃金(マイナス3258円、マイナス0.9%)、所定労働時間外賃金(マイナス1853円、マイナス4.1%)ともに減少しているが、特に需給調整の影響などが表れる所定労働時間外賃金の減少率が大きくなっている。一方、非製造業では、所定労働時間内賃金(プラス7196円、プラス1.8%)、所定労働時間外賃金(プラス35円、プラス0.1%)ともに前年を上回ったものの、わずかな増加にとどまった。

3.役職者賃金

実際に支払われた役職別の所定労働時間内賃金をみると、部長(兼取締役)は104万8203円(2010年106万6095円)、部長は68万9249円(同70万171円)、部次長は59万3136円(同61万6326円)、課長は52万6525円(同54万2749円)、係長は39万6945円(同40万2685円)となり、前年と比べて減少しているが、役職別の平均年齢は前年とほぼ同じであった。

さらに、10年前の01年と比べると、役職別の所定労働時間内賃金は、部長(兼取締役)でプラス32万5975円、部長でプラス6万2908円、部次長でプラス4万569円、課長でプラス3万5069円、係長でプラス1万8984円と、すべての役職で上昇している。一方、役職別の平均年齢は、0.2歳(課長=01年47.1歳→11年46.9歳)から1.2歳(部次長=01年51.2歳→11年50.0歳)の間で、部長(兼取締役)(01年、11年とも56.4歳)以外の役職において、平均年齢が下がっている。

【労働政策本部】
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