経団連タイムス No.3067 (2011年12月13日)

不法投棄等の支障除去等基金に関する説明会開催

−2011年度の産業界からの資金協力について要請受ける


経団連は11月24日、東京・大手町の経団連会館で「不法投棄等の支障除去等基金に関する説明会」を開催した。説明会では、環境省廃棄物・リサイクル対策部適正処理・不法投棄対策室の吉田一博室長から、産業廃棄物の不法投棄等の現状と対策、今後の同基金による支障除去等事業への支援の見通しについて説明があったほか、2011年度の産業界からの資金協力について要請があった。
吉田室長の説明概要は次のとおり。

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不法投棄等の新規判明数は未然防止対策等により近年減少傾向にあるが、残念ながら撲滅には至っていない。また、残存する不法投棄等の事案が依然として2500件程度あり、新たな生活環境保全上の支障が生じる可能性が否定できないことから、同基金は引き続き必要であると考えている。12年度までは現行の支援スキームを維持するが、13年度以降は新たな枠組みに移行する予定で、遅くとも来年7月ごろまでに結論を得るべく検討中である。

また、都道府県等から支援要請のあった事案に対する今後の支援必要額を試算したところ、昨年度と同額の積み増しが今後2年間あると仮定した場合でも、すべての事案に対しての支援は困難な状況にある。したがって、東日本大震災による社会経済活動への影響が残っているなかではあるが、不法投棄等の支障除去も放置できない問題であるため、今年度についても、積極的な社会貢献として昨年度と同額の出えんを産業界にお願いしたい。

支障除去事業に対する財政支援の枠組み
支障除去事業に対する財政支援の枠組み

<不法投棄等の支障除去等基金について>

同基金は、1997年の廃棄物処理法の改正により制度化された。産業廃棄物の不法投棄等に起因する生活環境保全上の支障等について、その実行者が不明あるいは資力不足であることを理由に、都道府県等が行政代執行により支障除去等の措置を行う場合、総事業費の4分の3の財政支援を行う。総事業費のうち、民間が2分の1を、国が4分の1を負担している。

経団連は厚生省(現厚生労働省)の要請を受け、1998年度から同基金に資金協力しており、2001年度までは企業の「社会的責任」の観点から、02年度以降は、「社会貢献」の一環として協力を継続してきた。

【環境本部】
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