経団連タイムス No.3065 (2011年11月24日)

2011年「昇給、ベースアップ実施状況調査結果」を発表


経団連は14日、2011年1〜6月実施分の「昇給、ベースアップ実施状況調査結果」を発表した。今回の調査結果は、(1)7割超の企業(72.3%)が、主に「企業業績」を考慮して賃金を決定(2)東日本大震災発生後の厳しい状況のもと、ほぼすべての企業(99.4%)が昇給を実施(3)賃上げの状況(6098円、2.01%)は、前年を若干上回ったもののほぼ横ばい――などが主なポイント。調査結果の概要は次のとおり。

1.賃金決定にあたって主として考慮した要素

賃金決定の際に主として考慮した要素(2つ回答)のうち、この項目の調査を開始した2009年以降、「企業業績」が最も多くなっており、今年も7割超(72.3%)を占めている。一方、昨年まで2番目の「経済・景気の動向」と昨年まで3番目の「世間相場」の順位が入れ替わった。

2.昇給、ベースアップの実施状況

「昇給実施、べアなし」とした企業が96.8%(前年調査91.2%)と大部分を占めており、「昇給・ベースアップともに実施」した企業2.6%(同6.7%)とあわせると、昇給を実施した企業は99.4%(同97.9%)にも上っている。今年は春季労使交渉の集中回答日の直前に東日本大震災が発生し、多くの企業が大打撃を受け、厳しい状況下に置かれたが、ほぼすべての企業が昇給を実施した。

3.賃上げの状況

昇給とベースアップを合計した賃上げ額(6098円)と賃上げ率(2.01%)は、わずかながら前年(賃上げ額5832円、賃上げ率1.90%)を上回ったものの、ほぼ横ばいであった。
賃上げ率の推移をみると、2000年以降、若干の上下はあるが、2.0%前後という傾向は変わっていない。

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同調査は、昇給とベースアップの実施状況を把握し、今後の賃金対策の参考とするために1953年から毎年実施している。今回は、経団連企業会員および東京経営者協会会員企業1921社を対象に調査を行い、482社(製造業53.3%、非製造業46.7%)から回答を得た(有効回答率25.1%)。

【労働政策本部】
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