経団連タイムス No.3065 (2011年11月24日)

野田首相らAPEC首脳がABAC委員らとホノルルで対話

−APEC CEOサミットには米倉会長が参加


パネルディスカッションに参加する米倉会長
(右から2人目)(11日、ホノルル)

ABAC(APECビジネス諮問委員会)の2011年の最終会合が、7日から10日の日程で、ハワイのホノルルで開催された。今年のテーマである「21の国・地域による21世紀の繁栄」の言葉どおり、21の国と地域のABAC委員とスタッフ約150名が参加した。

ABAC会議では、今年1年の総括をはじめとして、来年のロシア年のテーマ、作業部会構成と中心アジェンダなどが紹介され、13日に予定されたAPEC首脳との対話に向けた議題について活発な議論が交わされた。10日には中小企業シンポジウムが開催され、中小企業に有効な情報を提供し得るクラウドコンピューティングへの期待や、輸出支援策、融資問題がパネラーの話題の中心であった。

さらにこの時期は、ABAC会議、中小企業シンポジウムと同時に、APECリーダーズウイークと称して、CEOサミット、そして閣僚・首脳会議が開催される。11、12の両日にワイキキのホテルで開かれたCEOサミットには、APEC各地域から900名以上の参加者が集まった。わが国を代表して米倉弘昌会長が元シカゴ市長のリチャード・ラリー氏、DHLのロジャー・クロックCEOとともに登壇し、「Cities of the Future」のパネルディスカッションで熱弁を振るった。米倉会長はこのほか、外務大臣会合の「Disaster Resiliency」のハイレベル対話にも参加、東日本大震災を経験した日本の産業界の立場から発言した。

APEC首脳としては、胡錦濤中国国家主席が中国の目指す経済展望を語ったほか、オバマ米大統領がボーイング社のジェームズ・マックナーニ会長兼CEOとの対談で、米国にとってのアジア太平洋地域の重要性と通商問題に関するビジネス界との関わりの大切さについて力説するとともに、ABTC(APECビジネストラベルカード)への参加を意味する法案への署名を行ったことを紹介するなど、APECならではのフランクな発言が会場を沸かせた。とりわけメドベージェフ・ロシア大統領のアドリブ発言も、会場を埋めた人々に大統領の新たな印象を与えることになった。

APEC最終日の13日は、恒例のAPEC首脳とABAC委員との対話が4つのグループに分かれて行われた。第3グループに参加した野田佳彦総理は、TPP(環太平洋経済連携協定)協議への参加、中小企業への政府支援、インフラ投資問題などについて、ABAC委員と活発な意見を交わした。

【ABAC日本支援協議会】
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