第12回日本ロシア経済合同会議に出席する 岡委員長(中央)とショーヒン会長(左) |
経団連の日本ロシア経済委員会/日本NIS経済委員会(岡素之委員長)は9月21日、モスクワで第12回日本ロシア経済合同会議(ロシア側団長=ショーヒン・ロシア産業家企業家連盟会長)を、翌22日キエフで、第3回日本ウクライナ経済合同会議(ウクライナ側団長=パヴレンコ・経済発展・貿易省次官)を開催した。
経済界・政府関係者約150名が参加し開催された第12回日本ロシア経済合同会議では、二国間経済交流の有望分野やロシアの投資ビジネス環境等の現状と展望について理解を深めた。
特に、東日本大震災直後にセーチン副首相から、ロシア産原油・ガスの引き取り量拡大や、油・ガス田の共同開発などが提案されたことを踏まえ、資源エネルギー分野における互恵的協力関係を一層強化することで一致した。こうした方向性は、岡委員長とセーチン副首相との懇談でも確認された。
また、ロシア政府が取り組む「ロシア経済近代化」に関連し、省エネ分野における日本企業の先進的な技術と豊富な経験を有効活用すべきであるとの認識を共有した。
また、双方は、欧州・ロシア極東間の物流の活性化、ハイテク産業の育成、木材加工による林業の高付加価値化等についても検討を行った。特に日本側は、ロシア産穀物輸出の潜在力を高く評価する一方、関連インフラ整備が十分でないこと、ロシア政府による突然の穀物禁輸措置によるビジネス予見可能性の低下等の問題点を指摘し、今後の改善を働きかけた。
第3回日本ウクライナ経済合同会議での 両国団長によるメモランダムの交換 |
第3回日本ウクライナ経済合同会議には、約120名の両国政府・経済界関係者が参加した。
合同会議直前の9月19日の二国間投資協定交渉開始を受け、双方がこれを歓迎するとともに、日本側は投資の保護のみならず自由化を含む高水準の協定が早期に実現されるよう、ウクライナ側に求めた。これに関連し、ウクライナ側は現政権が主導する経済改革、投資環境改善に向けた取り組みを今後も着実に推し進めていくことを強調した。
また、ウクライナ側は、グリーン投資スキーム(GIS)を活用し、国内で省エネ等環境プロジェクトを実施しようとしており、2012年末までのプロジェクト実施に向け、日本側から日本企業が参画するプロジェクトの承認作業の早期完了を強く要請したところ、ウクライナ側は適切な対応を約束した。
双方は、輸送インフラ、アグリビジネス、観光等の有望分野における協力拡大の可能性を共有するとともに、今後取り組むべき課題等について率直な意見交換を行った。
翌23日には、アザーロフ首相、ヤロシェンコ財務大臣とも懇談した。アザーロフ首相はLNGターミナルの建設や代替エネルギー分野で日本企業の投資に期待を表明、また、ヤロシェンコ大臣は、各種経済指標を引用し、ウクライナ経済は健全な成長を遂げていることを強調した。