経団連タイムス No.3056 (2011年9月22日)

第7回日本コロンビア経済合同委員会開催

−EPA締結の必要性について共同声明採択


左からカルデナス大使、サントス大統領、
ムニョス委員長、小島委員長、鈴木大使

経団連の日本コロンビア経済委員会(小島順彦委員長)は、サントス・コロンビア大統領の来日に合わせて12日、東京・大手町の経団連会館で、カウンターパートのコロンビア・コーヒー生産者連合会(FNC)とともに第7回日本コロンビア経済合同委員会を開催した。日本側議長は小島日本コロンビア経済委員長、コロンビア側議長はFNC総裁のルイス・ムニョス・コロンビア日本経済委員長が務め、両国経済界から約80名が出席した。

来賓としてサントス大統領、ディアス‐グラナドス商工観光大臣、オルギン外務大臣、カルドナ運輸大臣、ロダード鉱山・エネルギー大臣、カルデナス駐日コロンビア大使、鈴木一泉駐コロンビア日本大使が出席した。

開会セッションの冒頭、小島委員長は、4年ぶりに開催する合同委員会を、両国関係をより高い次元へと発展させる契機としたいと期待を表明した。また、今年7月に日本コロンビア経済委員会において取りまとめた日本コロンビア経済連携協定(EPA)に関する提言に触れ、その早期締結が両国経済関係の発展に不可欠であると強調した。

続いてあいさつに立ったムニョス委員長は、コロンビアはアジア太平洋の国々との関係緊密化を図っており、そのなかでも特に日本を重視していると述べた。次いで鈴木大使から、野田首相の祝辞が披露された。

サントス大統領が講演

その後、サントス大統領が講演し、技術力に秀でた日本と天然資源や食糧・農業資源を有するコロンビアは補完関係にあり、経済関係の発展の可能性が高いと述べた。そのうえで、今回の投資協定の署名が、自身の念願でもある両国経済関係強化の契機となると述べるとともに、これが日本コロンビアEPAの締結につながることを期待したいと述べた。

続いて講演したディアス‐グラナドス商工観光大臣は、同国の治安の改善が、外国投資を増加させていることを紹介し、日本からは製造業をはじめ、特に輸出産業の競争力強化に寄与する分野での投資を歓迎したいと述べた。

日本側出席者からは東日本大震災後の日本経済の概況を報告したほか、技術移転や生産拠点の基盤づくりを通じて、コロンビア経済に貢献している日本の自動車産業の現地での事業展開について説明があった。

午後のセッションではビジェーガス・コロンビア全国産業連盟会長はじめコロンビアの企業家から、資源・エネルギーや食糧・農業の分野における両国間のビジネス拡大に期待が示された。これに対し日本側からも、最近の石炭分野への大規模投資についての紹介があった。また、コロンビアが第三国と締結するEPAによって、日本企業の現地生産や日本からの輸出などに不利な影響が生じないよう、早期のEPA締結が望ましいとの見解が表明された。

閉会セッションでは、日本コロンビアEPAの早期締結の必要性に基づき、交渉の即時開始を求める共同声明を採択した。

なお、同日午後、サントス大統領は野田首相との首脳会談に臨み、日本コロンビアEPA共同研究の開始を合意した。

【国際協力本部】
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