家屋の清掃をするボランティア |
被災地での側溝の泥かき |
経団連の1%(ワンパーセント)クラブ(佐藤正敏会長)では、「災害ボランティア活動支援プロジェクト会議(以下、支援P)」(注)と連携し、4月末から「企業人ボランティアプログラム」を実施している。連休中を除いた6月末までに15回実施し、45社から475名の企業人と、NPOや社会福祉協議会のコーディネーター55名が参加した。それぞれ3日間活動するため、延べ1565名が岩手県、宮城県、福島県の災害ボランティアセンターで活動したことになる。
企業人参加者の構成は、年齢層では30代から40代が6割、9割近くが災害ボランティア活動未経験者となっている。活動内容は、被災地のその時々のニーズによって変化するが、被災者の家屋や田畑のがれきや泥の撤去、床下や側溝の泥のかき出し、河岸の清掃などが大半を占めている。そのほかに、かまぼこ工場の片付け、市役所の浸水した公文書を乾燥させるための運搬、避難所や仮設住宅への荷物の配付などを行った回もある。参加者は被災地の現実を五感で感じ、甚大な被害のなかで自分たちができることの限界に無力感を味わいながらも、泥の一かきが復興に取り組む被災者を勇気付けると信じて、力を合わせて効率的に進めた。
支援Pでは、7月下旬から8月上旬にかけて引き続き、企業人ボランティアプログラムを実施する。また、これまでの参加企業が独自に、もしくはグループでボランティアバスを出す動きにつながるなど、支援の輪は広がっている。
次回以降、プログラム参加者の体験談を掲載していく。
(注)支援P=企業、NPO、社会福祉協議会、共同募金会等によって構成される被災地支援等を行うネットワーク組織。2004年の新潟県中越地震を契機に中央共同募金会に設置された