経団連タイムス No.3045 (2011年6月16日)

ケーブル英国ビジネス・イノベーション・技能相と懇談


ケーブルBIS相(右)と握手する大橋副会長

経団連の大橋洋治副会長は2日、東京・大手町の経団連会館で、英国ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)のヴィンス・ケーブル大臣ならびにビジネス代表団と懇談した。東日本大震災後訪日した初の英国政府閣僚として同大臣は、震災への支援と日英経済関係の発展に意欲を示した。ケーブル大臣の発言概要は次のとおり。

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東日本大震災に関し、日本国民の皆さまに心よりお見舞い申しあげる。震災に対する日本社会の毅然とした対応に深い尊敬の念を抱いている。福島第一原子力発電所事故について、英国はその分野の専門知識と経験を有しており、日本政府からの要請があれば支援・協力を惜しまない。

日本企業の英国経済への貢献にあらためて感謝したい。日本企業は英国において雇用を創出し、技術や優れたマネジメントを普及させている。英国政府は、今後とも日本企業の存在感の拡大を希望しており、対内直接投資のさらなる受け入れに向けビジネスに開かれた環境整備に努めている。

大橋副会長より、英国政府が、震災前から一貫して、日・EU経済統合協定(EIA)を支持していることを聞き、うれしく思う。5月28日の定期首脳協議の結果を重要なステップとしていきたい。日EU双方にとって市場の自由化は重要であり、貿易投資関係をさらに強化していきたい。欧州の一部の国は日・EUEIAに抵抗しているが、日本が非関税障壁の撤廃について進捗を示すことができれば、力強いシグナルになるだろう。

英国連立政権は現在、財政再建という困難な課題に取り組みつつ、持続可能な経済成長の実現に向けて製造業を重視し、イノベーションや人材育成政策等に資源を重点的に投入している。また、低炭素経済の実現は、環境とエネルギー安全保障の両面から重要であり、今回、日本の自動車メーカーと低炭素自動車の開発・普及をめぐり意見交換を行った。

■ ビジネス代表団からのメッセージ

ケーブル大臣に同行したビジネス代表団(ロールスロイス社、タレス社、BAEシステムズ社等)のメンバーは、これまでの航空機エンジンの共同開発やフライト・シミュレーターの納入などにおける日本企業との連携に言及するとともに、次世代戦闘機の選定等に関し、防衛産業における二国間協力の一層の拡大に強い期待を表明した。

【国際経済本部】
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