日本経団連タイムス No.3042 (2011年5月26日)

第22期「日本経団連フォーラム21」開講

−次代を担う経営人材の育成を目的に


あいさつする米倉チーフアドバイザー

日本経団連事業サービス(米倉弘昌会長)は、次世代の産業界を担う経営人材の育成を目指す年間研修講座「日本経団連フォーラム21」の第22期開講式を18日、東京・大手町の経団連会館で開催した。開講式には、今期メンバー28名のほか、チーフアドバイザーを務める米倉日本経団連会長・住友化学会長、アドバイザーの高橋忠生・日産自動車特別顧問と寺島実郎・三井物産戦略研究所会長、同フォーラムの修了生代表らが出席した。

冒頭、米倉チーフアドバイザーがあいさつし、「3月11日に発生した東日本大震災による直接被害額は、14兆円から18兆円に達し、2011年度のわが国のGDPを1.0%下押しすると予測される」と、21世紀政策研究所の試算を紹介。さらに、被災地の復旧・復興に向け、被災者の安全・安心の確保、生活の再建とともに、政治の強いリーダーシップのもと、スピード感を持って日本経済の立て直しに取り組んでいくことの重要性を指摘した。また、グローバルな競争が一層厳しさを増すなかで、日本経済の再生の決め手となるのは“技術力”であるとの考え方を示し、民間活力によるイノベーションを実現するための「未来都市モデルプロジェクト」構想について語った。最後に、「日本の再生を信じ、自信と気概をもって前向きに行動するリーダーが求められている。このフォーラム21という研鑚の場で、各分野の第一人者との討議やメンバーとの交流を通じて多くの刺激や発見を得て、次世代を担うリーダーとしてのさらなる成長と飛躍につなげてほしい」と期待を述べた。

次に、高橋アドバイザーが、日産のグローバル化を進めてきた自らの経験に触れつつ、「東日本大震災後、日本のものづくりの構造が世界に明らかになった。引き続き厳しいグローバル競争にさらされるなかで、新しいものづくりの構築が必要である」と述べた。また、寺島アドバイザーは、「フォーラム21で培う横串のネットワークは、大変貴重なもの。私自身にとっても重要なプロジェクトになっている」とフォーラムの意義を語った。

続いて、修了生代表として、第21期修了生の佐無田一清・東京海上日動火災保険理事本店営業第三部長と、村松治郎・東京ガスエネルギーソリューション本部NGV事業部長が登壇。佐無田氏は、「講座で知見を広げつつ、さまざまな業種・企業から集まった仲間との交流を深めてほしい。これからの人生で最大の宝物になることは間違いない」と今期メンバーにエールを送った。また、村松氏は、「フォーラムで自分自身を見つめ直し、複眼的なものの見方を学ぶことと思う。講座を修了した21期のメンバーも、相互啓発を続けている」と語った。

最後に、今期メンバーが自己紹介を兼ねて抱負を述べた。

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第22期講座の総合テーマは「未来企業のリーダーシップを学ぶ。」。米倉会長がチーフアドバイザー、高橋氏、寺島氏と山内昌之・東京大学大学院総合文化研究科教授がアドバイザーを務める。

来年3月までの約1年間、企業経営、国際関係、政治・経済、歴史、芸術など広範な分野で、毎月各界の第一人者の講演を聴取し討議を行うほか、洋上での合宿研修、海外視察などを実施する。

同フォーラムに関する問い合わせは、日本経団連事業サービス(電話03‐6741‐0042)まで。

【日本経団連事業サービス】
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