日本経団連タイムス No.3041 (2011年5月19日)

環境自主行動計画第三者評価委員会評価報告書まとまる

−指摘事項の継続的改善を評価、震災影響の考慮などの問題提起も


日本経団連では、環境自主行動計画〔温暖化対策編〕について、透明性・信頼性を担保・強化するため、第三者評価委員会を設置して、評価を依頼している。このたび、2010年度フォローアップ調査に対する評価報告書が取りまとめられたことから、経団連は4月21日、東京・大手町の経団連会館で、第三者評価委員会委員長の内山洋司氏(筑波大学大学院教授)から、説明を受けた。

内山委員長は、これまでの指摘事項への対応状況は概ね適切な対応がなされていることを評価する一方で、「自主行動計画の信頼性に疑義を生じさせる可能性があるような目標の改定がある業界に関しては、対外的な理由の説明を十分に行うべきである」「費用対効果に優れた温暖化対策をさらに実施すべきである」などと指摘した。また、自主行動計画の今後に向けた課題として、「業務・家庭・運輸部門での対策のさらなる強化」「二国間オフセット・メカニズムの実効ある仕組みづくりへの参画」などを挙げた。

内山委員長は説明の最後で、3月11日に発生した東日本大震災について触れ、「どの程度影響を及ぼすのかが不透明であり、予測することが難しい」と述べた。「温暖化対策の重要性は引き続き変わらないものの、震災の影響により企業や業界団体では、京都議定書の約束期間内において、温暖化対策のこれまでの前提となっていた経済活動やエネルギー消費に変更が生じることも予想される。復旧と復興、それにエネルギー供給の確保といった喫緊の政策課題の中での温暖化対策の位置付けも含め、自主行動計画をはじめ産業界の温暖化対策について再検討し、報告することが求められる」と説明を締めくくった。

経団連では、第三者評価委員会から今回指摘された事項について、次回自主行動計画フォローアップ作業において改善を図っていく予定である。

【環境本部】
Copyright © Nippon Keidanren