日本経団連は2月24日、東京・大手町の経団連会館で、内閣官房社会保障改革担当室の篠原俊博参事官から、社会保障・税に関わる番号制度の政府における検討状況について説明を聞き、意見交換した。会合には、経団連の情報通信委員会、電子行政推進委員会、社会保障委員会、税制委員会の各部会委員ら約100名が参加した。篠原参事官の説明概要は次のとおり。
政府は、昨年6月に「社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会の中間取りまとめ」を公表し、パブリックコメントを募集するなど、社会保障・税に関わる番号制度についての検討を進めてきた。今年1月には、政府・与党社会保障改革検討本部において、「社会保障・税に関わる番号制度についての基本方針」を決定し、公表した。
現在、わが国には、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることの確認を行うための基盤が存在しない。国や地方公共団体等が国民一人ひとりの情報をより的確に把握し、国民が国や地方公共団体等のサービスを利用するために番号制度が必要不可欠である。
そこで、住民基本台帳ネットワークを活用した新たな番号を、日本国民および中長期在留者、特別永住者等の外国人住民に付番する。また、会社法人等番号を活用した番号を、会社法人等番号を有する法人、法人税の納税義務を有する人格なき社団等に付番する。付番は、当分の間、総務省(個人)、国税庁(法人)が担う。
情報管理は、各府省等のデータベースによる分散管理方式とし、当面の情報連携の範囲は、社会保障分野、税務分野とする。
今後、個人情報保護と情報連携基盤技術の両ワーキング・グループにおいて詳細の検討を進め、3月から4月に「社会保障・税番号要綱」、6月に「社会保障・税番号大綱」を公表し、来年秋以降可能な限り早期に「番号法」案および関連法改正案を国会に提出し、2014年1月に第三者機関の設置、同年6月に全国民への「番号」配布を目途とする。
続く意見交換では、「政局によって途中で頓挫することのないようにしてほしい」「社会保障・税分野以外でも、法令遵守のために金融機関等が番号を活用することも視野に入れてほしい」などの期待が表明された。篠原参事官からは、「各党のマニフェストは概ね番号制度の導入を掲げており、野党にも基本方針について説明している」「民間利用については具体的な利用場面が重要で、場面ごとに区分けが必要である」等のコメントがあった。
経団連では、番号の民間利用に関するアイデアを募集している。企業内外での具体的利用シーン、効果試算など、番号制度の有効な活用方法について、事務局までご提案いただきたい。