日本経団連タイムス No.3025 (2011年1月1日)

「2011年度以降の環境自主行動計画〔循環型社会形成編〕」公表

−循環型社会の形成に向けた産業界の主体的取り組み促す


日本経団連は12月14日、「2011年度以降の環境自主行動計画〔循環型社会形成編〕」を取りまとめ、2011年度以降も「産業界全体の目標(産業廃棄物の最終処分量削減)」と「業種別独自目標」によって積極的に3R(リデュース・リユース・リサイクル)を推進することを発表した。産業界全体の新たな目標としては、「2015年度に2000年度実績の65%程度の削減」を設定した。
同計画の概要は次のとおり。

■ 産業界全体の産業廃棄物の最終処分量に関する新たな目標

今年度(2010年度)を目標年度とする現行の自主行動計画に替わる、2011年度以降の同計画の最終処分量削減に関する新たな目標は、「2015年度に2000年度実績の65%程度の削減」とした。

産業廃棄物の最終処分量は景気動向の影響も大きく受ける。今後の見通しは必ずしも明らかではないが、自主行動計画の本来の目的は、各企業による主体的かつ積極的な3Rの取り組みを促すこと自体にある。したがって、各業種のこれまでの目標の達成状況や今後の生産動向の見通しなども十分に踏まえ、政府目標(2000年度比60%減)よりも高い水準を主体的に設定し、産業界全体でさらなる循環型社会の進展に取り組むこととする。

また、産業廃棄物の最終処分量の削減は、すでに相当程度実現(1990年度実績の89%減、2000年度実績の65%減)している。現行の環境技術・法制度ではこれ以上の削減は限界に近いとする業種も多く、新しい目標を達成するためには政策的支援が必要である。そこで、経団連としては「循環型社会のさらなる進展に向けた提言」(2010年9月14日公表)や、「2010年度日本経団連規制改革要望」(2010年10月14日公表)の実現を政府に対して引き続き求めていく。

■ 業種別独自目標の設定・改善

これまでどおり、業種の特性や事情等を踏まえ、適切な指標がある場合には独自目標を設定する。その際には、自主行動計画としての信頼性を高めるため、定義等をわかりやすく説明するよう努めていく。

◇◇◇

経団連は、1997年に環境自主行動計画〔廃棄物対策編〕を策定して以来、産業廃棄物の最終処分量の削減に取り組んできた。2007年からは、再資源化率等の業種の特性に応じた独自目標を計画に追加した。これにより、3Rへの取り組みを強化し、名称も「循環型社会形成編」に変更した。同計画を通じた産業界の主体的な取り組みは、最終処分量の大幅な削減等、すでに大きな成果を挙げている。

【環境本部】
Copyright © Nippon Keidanren