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IT・エレクトロニクス産業の競争力強化に 向けた課題などを探ったシンポジウム 「21世紀の新社会システムと電子立国再興に向けて」 |
日本経団連(米倉弘昌会長)は5日、東京・大手町の経団連会館で電子情報技術産業協会(JEITA)、経済産業省との共催により、シンポジウム「21世紀の新社会システムと電子立国の再興に向けて」を開催し、情報通信技術(IT)・エレクトロニクス産業の競争力強化に向けた課題や対応策を探った。シンポジウムには、企業トップをはじめとする企業関係者、政府や地方自治体関係者、一般参加者など幅広い分野から約400名が参加した。
冒頭あいさつした渡辺捷昭副会長は、「ITは、すべてのものづくりやサービスに組み込まれ、産業界のみならず、行政、医療、教育などさまざまな領域で、ITの強化が成長戦略の実現の重要なカギとなる」と述べた。
続いて下村節宏電子情報技術産業協会会長は、「熾烈な国際競争のなかで、新エネ・省エネ等の先端分野では、各国政府が積極的な産業支援策を実施している。日本も、産業の立地助成、研究開発支援、法人実効税率の引き下げなどが喫緊の課題である」と述べた。
石黒憲彦経済産業省商務情報政策局長は、5月31日に経済産業省が公表した「情報経済革新戦略」より、エレクトロニクス・IT産業の構造改革、ITによる産業の高次化と社会システムの革新、課題解決型社会システムの海外展開など、具体的解決策を紹介した。
パネルディスカッションには、小川紘一東京大学特任教授、坂本幸雄エルピーダメモリ社長、矢野薫日本電気会長、吉川良三東京大学特任研究員、渡辺副会長、石黒局長が出席し、飯田香織NHK経済キャスターがモデレーターを務め、「IT・エレクトロニクス産業の国際競争力強化」をテーマに、活発な意見交換を行った。各パネリストの主な発言は次のとおり。
「デジタル化とともに標準化・分業が進展しており、これらを前提としたブラックボックス戦略が重要。コア技術を有する日本は、標準化する領域に関する戦略の事前設計が重要」
「半導体分野では設備投資で劣位となると差をつけられやすい。米国や台湾は投資補助に積極的。成長に向けて合理的判断を迅速に下せるCEOの存在が不可欠」
「デジタル化とともにコモディティー化(日用品化)が進み、ハードとソフトが安く提供できるようになり、低価格×ボリュームによるビジネスが成立する。さまざまな年齢層の従業員に海外経験を積ませ、組織改革の推進を図ることが重要」
「韓国は、日本が生産拠点ととらえていた国を消費地に変えてきた。海外展開には“現地・現材・現人”が必要。サムスンの特徴はボトムアップ型かつ迅速な意思決定。海外体験による人材育成も重視」
「ものづくりにとって、安心・安全、環境・エネルギーに加え、快適が重要。車と社会システムをつなげるには、業界内、業界間、官民などの連携が不可欠であり、ITの技術開発が重要」
「事業環境整備の重要性を認識している。そのなかで国際連携、再編が必要。プロデューサー機能を発揮できる存在も重要であり、モノとサービスの融合が今後のカギ。産業革新機構、ファイナンスなどを通じた企業活動の活性化が重要」