日本経団連タイムス No.2975 (2009年11月19日)

電子行政の推進を提言

−ICTの利活用による新たな政府構築に向けて


日本経団連(御手洗冨士夫会長)は17日、「ICTの利活用による新たな政府の構築に向けて」と題する提言を取りまとめ、新政権が進める行政の抜本的な見直しに合わせ、電子行政を推進するよう改めて求めた。ICT(情報通信技術)は国の競争力を左右する重要な基盤であることから、日本経団連ではICT戦略や電子行政の推進を強く求めてきた。とりわけ、電子行政は、先進諸国に大きく後れを取っており、新政権の重要施策である「行政の無駄の排除」や「安心できる社会保障制度の確立」の実現にも、ICT利活用の視点が不可欠である。

今後は、10月に開催した原口総務相との懇談会(10月29日号既報)において設置が合意された日本経団連と総務省のタスクフォースなどを通じて、提言の実現を働きかけていく。提言の概要は次のとおり。

■ 電子行政推進のための5原則と3つの施策

電子行政の推進によって、(1)行政の無駄の排除(2)安心できる社会保障制度の確立(3)国民・企業の利便性向上(4)行政の透明性の向上――などの効果が期待できる。
提言では、電子行政推進のための原則として、以下の5つを示した。

  1. (1)プライバシーやデジタル格差への十分な配慮
  2. (2)行政手続きの公開・透明化
  3. (3)国民に対する情報の二重請求の禁止
  4. (4)各省庁・地方自治体を通じた電子行政の全体最適化
  5. (5)行政文書・手続きの原則電子化・オンライン化

また、早急に実施すべき施策として、以下の3つを求めた。

  1. (1)業務改革(BPR)・標準化の推進、人財の有効活用、労働環境改善
  2. (2)電子行政推進担当大臣の明確化と電子行政推進体制の整備
  3. (3)税・社会保障制度共通の番号制度、企業コードの導入

最後に、国際競争力強化に向けて、ICTに係る人材育成、技術開発、利活用、国際展開に至る国家総合戦略を再構築し遂行することを求めた。

なお、提言全文は日本経団連のホームページ(http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/095.html)に掲載している。

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タスクフォースの具体的検討内容等は今後決定する予定。

【産業技術本部】
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